第28話 チビパンの無料配布

 パン工房では僕が指示して置いた、福豆とミドリ豆を水飴で煮て取り出した甘い煮豆を潰して作った、白アンとミドリアンが出来上がっていました。

 スプーンで取り出し、固さや味をたしかめます。

「甘過ぎず良い感じのアンになっています、ご苦労様でした。この感じでアンは白ミドリ黒の3種類で行きますが、売り上げを見て各種量産の指示を出します」

 採算が合わないのでジャムパン販売は止めました、果物は高価でそれに収穫が途切れる事がある季節の物です。


 オープンは100個ずつ焼いて様子見です、売れ残ったら皆で食べれば良い。


「「「福豆やミドリ豆でアンが出来るとは、凄い技術のご指導ありがとうございました!!」」」

 声がそろってる、アンパン担当は3人のようです。


「「師匠!ミートパンはいつも通りのはずですが、ソーセージパンの出来を見て下さい」」

 調理パンは二種類、ハンバーガーとホットドッグは定番ですね。

(他に簡単な調理パンは……コロッケパン焼そばパンは無理だな、ポテサラパンは?マヨネーズの作り方は知ってる、前の世界でお母さんに教えてもらった、やってみるか)


 普通パン屋が売ってる固いパンが、銭貨5枚から10枚が相場、革命パンはアンや肉に手間と費用が掛かっているので、アンパンは銭貨20枚、小銅貨2枚で販売する予定です、豆が安いのでアンパンの原価は銭貨5枚くらいかな?


 ホットドッグにフランクフルトソーセージみたいに、ぶっといソーセージ1本使うと採算合わないし食べにくくなります、だからソーセージは縦長4等分にして4分の1がホットドッグ1本、これもみじん切り玉ねぎとトマトソースで味付けしてます。

 これでミートパンと同じ原価になり、小銅貨5枚で販売出来ます。

 原価はどちらも銭貨8枚、それを小銅貨5枚は暴利のようですが、この値段は「革命パンは安売りしないようにせよ!」って流星王様の指示なのでしょうが無いです。


(ホットドッグ食べ易いけど、細切りソーセージせこい感じがちょっとするが、アソウギ君の原価計算の結果決めた事当分このままで行くつもりだが、ションベン町のソーセージ工場に1本が2銭貨の細いソーセージ発注するか?)


「ナユタさん、小さな一口で食べられるパンを無料配布したら良い宣伝になるよ」

「あぁ、それ良いね!」


 オープン前に一仕事、一口サイズの小さいパンを大量に焼き、宣伝無料配布します。

 銭貨1枚で子供でも買えるパンとして、店頭に並ぶ事になるチビパンの誕生です。




 オープン前日チビパン、白アンミドリアン黒アン各300ずつ無料配布中です。

「明日『革命パンの店』オープンします」

 と良いながら、僕とアソウギ君それにシラヌイさんの3人で道行く人に配りました。

「あれ?中に何か入ってる?」

「旨い!何だこのパン?」

「ふわふわでおいしい」


 食べた人は好評みたい、もっとも無料だから…明日買いに来てくれるかは別物でしょう。

 明日のオープン時、調理パンも一口サイズに切って試食出来るようにした方が良いかも。

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