第6話 アソウギ君衝撃の出逢い

 朝食をユックリ食べ終わった頃、どこかで見ていたようなタイミングで、ベン町長がやって来ました。


 お父さんのパンが、食べれなくなることに気付いた僕は、気分が沈んで居ます。


「おはよう!ナユタ君?元気が無いな、宿に不満でも有ったかい?」

「町長、ナユタは、私の作ったパンが、王都に行くと食べれん様になるのを、残念がっておるだけです」


「そう?なのかい?そう言われると、エライノ町の優秀なパン職人だったね」

「お父さんのパンは王国で一番美味しいパンだよ」


「うん···ならば、ナユタ君と一緒に王都に住んで、パンを作れば良い」


「シーシャさんに、頼んでみれば?ナユタ君の親の頼みは、即叶えられると思うぞ」

「シーシャさんって誰?」

「おいおいナユタ君、使者どのの名前位覚えてやれよ」

「ふぅん、使いの人ってシーシャさんって言うのか」



 朝食に出た美味しいソーセージの工場に案内されました。


 豚のしょうちょうって物に、粉砕されこうしんりょうを混ぜたお肉が、入るとソーセージがドンドン形になって行きます。


 一本のながぁいソーセージを等間隔に捻ると、見慣れたソーセージになってる。


 二通りの仕上げが有るそうです。

「ナユタ君、煙で燻した薫製ソーセージと、蒸気で蒸した物が有るんだぞ」




 出来立てのソーセージを焼いて食べました。

 焼いただけなのに、凄く美味しいソーセージでした。



 豚や牛を放牧してる、牧場見学をしています。

「広い所で自由にさせて居ると、すくすく育つんだよ」




 見学が終わり、牧場の人の好意で、絞りたてのミルクをもらって飲んでると、遠くに見える子供が変な事をしてるのが見えました。


「あれ?あれって」

 そう、僕しか出来ないはずの、立ちしょうべんをしている所が見えたのです。


 僕は思わず走ってました。


「きみ!僕と一緒で、尻尾があるんだね!」

 立ちションしている子供は、驚いたような顔で僕をマジマジと見詰めて居ます。

 目の前で見た子供は、凄く綺麗な顔をして居ました。


 僕の心臓が、ドクンとなって、バチっと身体に何か走った様に感じました。


「ぼ、ぼ、僕はナユタっていいましゅ」(げっ!カンダ)


 凄く綺麗な顔の子供は、僕がカンダのが可笑しかったのか、笑顔で言いました。

「うふふっ私、アソウギ」

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