第3話 国王様に呼ばれました

 朝、王様の使いと言う人がやって来ました。


 僕は王様の使いって、凄い人かと思って期待して居たけど、普通のオジサンなのでがっかりしました。


 お父さんとお母さんそれに僕は、使いの人の話を聞いて居ます。


 話の内容は難しくて、僕には理解出来ませんが、お父さんとお母さんを説得して居るようです。


 お父さんの顔が、だんだん不機嫌そうになり、お母さんは泣き出して仕舞いました。


 お母さんが泣くので、僕は凄く不安になりました。


 僕の不安に気付いた使いの人が、僕に分かり易く話してくれました。



「とっても大切な、特別のナユタ君を王様が、王宮に招待して居るんですよ特別なナユタ君を無料で教育、勉強して貰って大人になったら、国王になって貰う予定です」


「僕が?王様になるの?」

「はい!!9年勉強して、16歳の誕生日が国王戴冠式たいかんしきになります」


 膨大な奨励金しょうれいきんと言うものが、お父さんとお母さんに渡され、僕は王都に行くことになりました。





 僕の町、エライノ町は、王国の西の外れにあるそうです。

 凄い早さで走る、鉄道馬車でも20日掛かる所に、王都があるそうです。


 お父さんとお母さんも一緒に、鉄道馬車に乗っています。

 窓の景色は、あっと言う間に後ろに消えて行きます。

「お父さん、お母さん!凄い!速い!!」

「うん、速いな!」


 お父さんとお母さんはちっとも楽しそうじゃ無い。

 僕一人はしゃいで居る事に気付くと、何か詰まんなくなってきました。






「気持ちが悪いよ…」


「馬車酔いで御座いますな、馬車を止めます」

 使いの人が、御者に合図すると、馬車が止まりました。


 止まっても、ユラユラ揺れている様です。

 こんな気持ち悪い、苦しい思いするとは、思いませんでした。

 王都に行きたくない、鉄道馬車に乗りたくない、僕は少し後悔しました。

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