第4話 お楽しみの時間
「それでは、神人ゲームスタートです。」
ゲームマスターの一言により、ゲームが開始された。
「早速ですが、お楽しみのお時間に移らせていただきます。」
ゲームマスターの声は、喜びに満ちたような甲高い笑い声を模様させる声だった。
そして、カーテンが開けられ地下の戸から姿を表したのは、悪趣味な椅子とナイフだった。
「なんだこれ、、、」
殺人鬼は、少し汗を垂らして言葉を放った。
「こちらは遅延拷問です。」
ゲームマスターは、まるでおもちゃを手にした子供の様にウキウキしながら話した。
「なっ、なんだよ、この、きっ、器具は。」
狂人の口から出てきた言葉は恐怖を模していたが、喜びも感じられる言葉だった。
「今から皆さんに、話し合って、受け手と切り手を決めて貰います。」
「方法は自由ですが、もし60分以内に答えが出ないなら、連帯責任を取って、串刺しになって貰います。」
そう言うと、天井から鋭い針が出てきた。
「ちなみに、この針は神経に浸透する毒針なので、再生する際、先ほどの倍以上の苦痛は、覚悟して下さいね?」
その言葉を聞いた瞬間、私を含めて数人の顔が青ざめた。
「ふざけんなよ、さっきよりも強い痛みを感じたら死んでもおかしくはねぇんだぞ。」
ホームレスは、強がりな言葉で恐れていた。
「ご安心下さい。貴方達は何があろうと死ぬことはありません。」
その言葉は、嘘をついている様な言葉だった。
「まぁ、全員仲良く串刺しになろうが、一人を生け贄にするのか、それだけのお話です。」
皆が、動揺していた。
そこに、車椅子の少年が声を発した。
「あの、僕が受け手をしましょうか?」
全員が驚いた顔で、少年の方に視線を向けた。
「誰かが、傷つくとか、誰かが嫌な思いをする位なら、僕が喜んでします。」
「さぁ、時間は限られています。早く切り手を決めて下さい。」
少年は、曇りの無い優しい表情で言った。
そして、次に視線を浴びたのは連続殺人鬼だった。彼なら残忍で冷酷非道な殺人鬼だろう、喜んで切ってくれるはずだ。
「俺は言っとくが、ナイフは使えねぇ、得意なのはメリケンサックだからな。」
期待外れだった。ナイフを使えない素人に、この子にあまり痛みを与えずに切るのは難しい事だった。
「ぼっ、僕なら、なっ、ナイフ得意だよ。」
言葉につまる狂人は、自前のナイフを自分に刺していて、説得力が抜群だった。
皆がナイフを自分に刺す狂人の方を向いた。
この中で、最もナイフの使い方に長けていそうなのは彼以外いないと思う。
「彼にあまり痛みを与えず刺すことは出来ますか?」
そう言うと、彼は頷いた。
私達は、彼に拷問をされる少年の運命を託す事になった。
それだけが、今の私達に出来る事だった。
「では、決まったようですね。始めてくださいお楽しみを。」
このゲームマスターは、狂っている。イカれているのが分かる。
特に、今の私がゲームマスターになった時、残虐な拷問をするのがベストだと感じる。
――裏切り者になる私は、このゲームのヤバさの本質をまだ知らなかった。――
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