04-06-08 宋七 蕭道成

 明帝が即位して間もなくし、部将の蕭道成しょうどうせいが各地の征討に大いに手柄を挙げていた。そして淮陰わいいんに赴任すると当地にて豪傑俊才を賓客として大いにもてなした。やがて蕭道成は南兗州刺史みなみえんしゅうししとなり、褚淵ちょえんにより右衛将軍うえいしょうぐんに推挙された。顧命の大臣として国の枢要にたどり着いたのである。


 しかし担ぐはずの後廃帝こうはいていが無道の極み。このため蕭道成が袁粲えんさん褚淵ちょえんに廃立を持ちかけると袁粲は反対し、褚淵は賛同した。

 順帝が即位すると、袁粲は蕭道成の誅殺を計画。褚淵により密告され、袁粲は息子たちとともに石頭城せきとうじょうにて処刑された。人々は袁粲ら親子を憐れみ、このように歌った。

「憐れむべし石頭城、殺すべくは袁粲でなく褚淵であったろうに」

 沈攸之しんゆうしもまた蕭道成打倒のため挙兵したが敗走の末自殺した。こうして蕭道成は相国しょうこく斉公せいこうとなり、九錫きゅうしゃくを加えられ、王に爵位を進めた。


 そして順帝より皇位を受けると、宋の皇族を皆殺しとしたのである。

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