04-04-02 晋五 孝武司馬曜 下

 苻堅ふけんの息子「苻丕ふひ」が晋陽しんようにて皇帝と自称した。

 拓跋珪たくばつけい代王だいおうとして立った。


 慕容垂ぼようすい中山ちゅうざんにて皇帝を自称した。

 西燕せいえんは「慕容永ぼようえい」を主に戴いた。


 苻堅の遠縁の親族にあたる「苻登ふとう」が南安なんあんにて皇帝を自称した。

 姚萇ようちょうもまた皇帝を自称。ただしそこに苻登が攻撃を仕掛けてきた。両者は互角の戦いを繰り広げた。

 姚萇が死亡し、「姚興ようこう」が立つと、苻登を打ち破り、殺した。


 慕容垂は西燕を長子ちょうしにて打ち破り、慕容永を殺した。

 慕容垂が死に、子の「慕容宝ぼようほう」が立った。

 更に涼州りょうしゅうで「呂光りょこう」、隴西ろうせいで「乞伏国仁きっぷくこくじん」、河西かさいで「禿髮烏孤とくはつうこ」が自立した。


 前秦ぜんしんを破って以降、江南こうなんの地に大きなトラブルはなかった。とは言え孝武帝は弟の「司馬道子しばどうしに執政を押し付け、自身は酒浸りの日々を送った。

 ある時流れ星が空を横切った。孝武帝は天に向けて酒盃を掲げ、言う。

「長星よ、お前に酒を勧めよう。永劫の天子でなぞおれるものが居ようかよ」


 孝武帝の寵妃のひとり、「張貴人ちょうきじん」。最も寵愛されていた女性であったが、その年齢は三十歳に差し掛かっていた。ある時孝武帝が酔いにかまけて、言う。

「お前もいい年だ、そろそろお払い箱かな」

 張貴人は側女らに命じて孝武帝の顔を塞ぎ、窒息させ殺した。


 孝武帝の在位は 15 年であった。太子が立った。「安帝あんてい」である。

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