04-01-04 東晋 王導 2
このとき、そばを
「周顗殿、我が係累百人余りを、そなたに委ねたく思うのだ」
しかし周顗はその呼びかけを無視し、城に入ってしまった。ただし
常に酒が入っていた周顗はこのあとにも飲んだようで、城から出るときにもまた酔っていた。いまだ城の前にいた王導がふたたび周顗に呼びかける。やはり周顗は応えない。代わりに、側仕えたちの顔を見回して、言う。
「さぁ、今年は賊徒どもを殺して、金印を腰に佩びる栄誉に浴そうか!」
そうして王導の前から立ち去ったのだが、帰宅すると、再び王導の無罪を証明する上表を綴った。
王導はそうした周顗のツンデレに気付けず、恨みを抱くようになった。
元帝が王導を召し出すと、王導は稽首、つまり土下座のうえ首を晒し、そのまま斬られても文句は言いません、といった姿勢を取った上、言う。
「亂臣や賊子はどの時代においても無くすこと叶いませぬ。とは申せど、よもや今の世におけるそれが、臣に近き者でありましたとは思いもよりませなんだ」
この言葉を聞き、元帝はまともに履き物も履かないまま玉座より降り、王導の手を取った。そして言う。
「王導殿、ならばこの百里四方を平らげる大任、そなたに頼ろうぞ」
こうして王導は
とは言え間もなく
王導は周顗の助命を申し出ることはなかったが、後日過去の事例を検討するため
「わしが直接手を掛けたわけではない。しかし,わしが原因で彼は死んでしまったのだ。不見識がために、わしは良き友に背いてしまった!」
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