03-12-03 蒙求 西晋分 上3
楽広(晋)&殷仲堪(晋)
八王の乱に振り回された論客。楽広。かれのもとに来た客が酒を飲むと、間もなく具合を悪くした。杯の中に蛇が入っていたにもかかわらず飲み干してしまったことで気分が悪くなった、と言うのである。調べてみるとそれは部屋にあった蛇の絵が杯の中に映り込んでいただけだった。楽広がそれを客に告げると、彼はけろりと回復した。
東晋末の動乱に振り回された論客、殷仲堪。彼の父殷師は奇病にかかっていた。床下でアリのうごめく音が、間近で闘牛が行われているほどの轟音に聞こえたという。
奇妙な病気の話。
習鑿齒(晋)&荀勗(晋)
東晋の文人、習鑿歯は文章の中でも、特に書簡の往復による議論に長けていた。
西晋の代表的佞臣、荀勗は、しかしその音楽の才能がずば抜けており、西晋の音楽の調律を一手に引き受けた。
飛び抜けた才能を示したふたり。
呂安(世説)&王徽之(世説)
西晋の名士、呂安は嵆康とマブであった。あるとき嵆康の元に訪れてみると家族しかいない。がっかりした呂安は家の門に「鳳」と書いて立ち去った。「凡+鳥」である。
王羲之の息子、王徽之。奇行で知られる彼はあるとき突然隠者の戴逵のもとを訊ねるのだが、玄関先に到着すると満足して引き返してしまった。
はるばる友に会いに、しかし。
孫康(孫氏世録)&車胤(世説)
東晋の学者、孫康。彼は若い頃貧乏であったが、雪の照り返しを明かりにして学問を修め、大成した。
東晋末期の学者、車胤。彼もまた若い頃貧乏であったが、蛍を布袋に包み込み、それを明かりとして学問を修め、ついには大成した。
蛍の光、窓の雪。
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