03-09-03 晋二 天下統一 中
「天下にて思うようにならんのは十のうち七、八にもなろうかな」
とはいえ「
羊祜は答える。
「もはや呉の獲得に臣の力など要りますまい。むしろその後の陛下のご心労を憂うのみにございます」
羊祜が死亡すると、杜預が鎮南大将軍に任じられ、
対する呉では、
この話を聞いたとき、「
「我らは聖人ではない。外が安んじれば内側に憂いが生じように。ならば呉をこのままにして外憂であらせ続けておいたほうが良いのではないかな」
このとき山濤は吏部尚書であった。山濤は
ただし山濤だけは世の中のことにも関心を向けていた。吏部尚書とはすなわち人材登用に関する職掌である。様々な適性に応じた人物を推挙し、武帝に上奏した。その的確さのため、ひとびとは
竹林七賢なのに三公にまで上りつめている、山濤。その見識は凄まじく、老子を読んでもいないのにあっさり老子の境地にたどり着くし、孫子も読まないのに軍略のキモを一瞬にして見抜くのだった。
時代が下り、
凄まじい見識を示した高官二人。
三国蜀に仕えた馬良は五人兄弟だったが、その中で最も優れていた。その特徴が白い眉であった。
魏晋交代期に現れた竹林七賢のひとり、阮籍。彼は気に食わぬ相手と会うときには白目をむき、優れた人物と応対するときには黒目を明らかとした。
優れた人間は選ばれる。
魏晋交代期の名士、
また孔子も、「
意気投合する二組の賢人ペアの、車にまつわるエピソードを引き合わせた感じだ。
竹林七賢の阮咸は、その闊達さたるやまるで青空に浮く雲のようであった。
同じく竹林七賢の嵆康はきりりとしたイケメンだったが、酒が入るとでろでろになり、「あれをくずおれた宝石の山というのだな」と山濤に言われている。
竹林七賢はすてき。
西晋の名士、呂安は嵆康とマブであった。あるとき嵆康の元に訪れてみると家族しかいない。がっかりした呂安は家の門に「鳳」と書いて立ち去った。「凡+鳥」である。
王羲之の息子、王徽之。奇行で知られる彼はあるとき突然隠者の戴逵のもとを訊ねるのだが、玄関先に到着すると満足して引き返してしまった。
はるばる友に会いに、しかし。
劉玄石という人は千日間酒を浴びるようにかっくらい、千日間昏睡し、その後ようやく目覚めたという。
劉伶は竹林七賢。酒にまつわるエピソードが竹林七賢には多いが、その中でも飲酒に特化している。あまりの酒癖に奥さんに禁酒を乞われたところ、「では神に祈りたい」と神に捧げる酒と肉を用意した。そして言う。「天は俺に飲酒の才能を与えた。飲むに決まってんだろ」と、供え物の酒を飲んで泥酔して寝た。
酒にまつわるふたりの変人。
向秀は
琴の名人伯牙には
友人の死にまつわる、音楽の話。
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