03-06 蒙求 後漢分

03-06-01 蒙求 前漢漏れ分

郅都蒼鷹しつとそうおう 寧成乳虎ねいせいにゅうこ

 前漢景帝けいてい時代の人、郅都。彼は相手がどんなにえらい人間だろうが怖じけることもなくストレートに諫言を決め、人々に恐れられていたそうだ。

 同じく景帝に仕えていた寧成。やはりビシバシと人をしばくタイプの人であった。あまりの厳しさに「アレに会うくらいなら子を産んだばかりの虎に出くわした方がマシだ」とまで言われた。

 正しさのために人をビシバシ裁く二人。


劇孟一敵げきもういちてき 周處三害しゅうしょさんがい

 前漢、呉楚七国ごそしちこくの乱ころ、呉楚の王は劇孟を獲得できなかった。漢サイドでは「彼をひとり得れば一国分の兵力を得たようなものだ」と大喜びだったのだが。

 西晋末期、地方反乱の鎮圧に向かい、敗死した周処しゅうしょ。彼は昔乱暴者で、地元の三大災厄のひとりに数えられるほどの暴れぶりだった。ちなみに他の二害は虎とワニである。

 激烈に勇猛だけど、益と害。


龔勝不屈きょうしょうふくつ 孫寶自劾そんほうじがい

 前漢末期、王莽おうもうが実権を握る。龔勝は何度も中央に出てくるよう呼びかけられたのだが応じない。ついには皇帝直々の命として召喚を受けたのだが病を称し、拒否。そこから飲食を断ち、二週間後に死亡した。

 前漢成帝せいていの時代、張忠ちょうちゅうという人が学問の業績高い孫宝に、息子の教師となって欲しいと言い出す。周囲の人間もそれがさも良いことであるかのように言いだしたため、孫宝は自らに罰を着せ、辞任する形で辞退した。「高士たるものそんなことやるべきでない」とのことである。お、おう……?

 断固として気に食わぬお仕事したくないでござる。

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