03-03-07 漢八 虞詡 下
西方調略に臨む
「現在都に増援を依頼している、ここで増援の到着を待つ」
羌人たちはその話を聞き、安心して各地の略奪にいそしんだ。一方の虞詡は羌人が分散したことを聞くと、日夜をおして西方に進軍。その途中で野営をする際、はじめは二つ、次は四つ、次は八つと、徐々に
ある者が問う。
「
虞詡は答える。
「羌族は多く、我らは少ない。いま徐行すればたちまち追いつかれよう。早くに進めば敵は我らの動きを測りきれるまい。しかも竈が増えているのを見れば、既に増援が到着したものと勘違いしよう。敵が日に日に増えながら、しかも数を増やすのだ。我らに追いつきたくはなくなろうさ。孫臏が弱さで欺くのならば、わしは強さを欺くのだ。やり口が違うのは、情勢が違うからよ」
虞詡軍が
翌日、虞詡は城の前に兵を整列させた。東郭門から出て、北郭門に入らせる。城内に入った兵には服を着替えさせ、ぐるぐると周回させる。遠方から見る羌からすると兵の数がいつまでも尽きないように見え、ついには怖じ気づき、撤収を開始する。羌軍の撤収を読んでいた虞詡は撤退経路に伏兵を置き、大慌てで引き返そうとする羌軍にさらなる追撃を加えた。こうして羌軍は敗北した。
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