03-01-22 巻七 光武帝劉秀 終
「古来より、明王聖王のもとには賓客として遇されることを良しとしないものもいたものさ」
そして周党に絹を下賜し、帰宅させた。
また隠者の「
翌朝、星見役が光武帝に言う。
「客星がやにわに御座の星を犯しておりました、何か緊急の襲撃事件が起こるのやも知れません」
光武帝は言う。
「ぼくと厳光くんが一緒に寝ただけだ」
厳光には諫議大夫の役職が用意されたのだが、やはり厳光は拒否、立ち去って畑仕事や釣りを楽しんだ。やがて
光武帝は天下が治まるよりも前から文治を志していた。治まると真っ先に太学を建て、古典を整え、儀礼や礼楽などを再整備した。晩年には
朝早くに起きて政務に携わり、日が暮れると退出、その後は公卿や郞、将とともに政治にまつわるもろもろごとを議論、夜も更けてからようやく床についた。
あるとき皇太子が光武帝に諫めた。
「陛下には
光武帝は答える。
「趣味なんだから疲れることもないのさ」
在位三十三年、天下太平のために力を尽くした。改元は二回、
厳光は光武帝の幼なじみ。マブダチ、とすら言っていい。しかし光武帝が天下の主となると彼の元を辞去し、日々釣りを楽しむ生活を送った。
天子に近い立場におりながらにして栄達を嫌い、世を遁じた隠者ふたり。
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