03-01-11 漢六 隗囂 1
「天下の雌雄がいまだ定まっておらぬのに、公孫述殿には国士を歓迎しようという気もないようだ。あのように無駄にゴテゴテと飾り立て、まるで木偶人形のようではないか。あのような者のもとにどうして天下の士が久しく留まろうかよ」
そうして謁見を辞退して帰還。隗囂に言う。
「公孫述くんは井の中の蛙でありながら、みだりに驕り高ぶっております。あれをどうこうしようと思うのなら東方、
そこで隗囂は馬援に書を持たせて
しばらく待たされたのちに城内に招き入れられると、
「きみは二帝の間を遊説して回られたと聞く。ならばどの程度の人物かと疑問に思っていたのだが、今きみにこうして見え、むしろそのように疑ってしまったぼくのことを恥ずかしく思うのだ」
馬援は深々と頭を垂れて言う。
「このご時世、主だけでなく、臣下もまた人を選ぼうと考えるものです。臣は公孫述と故郷が同じで、若き頃には交流を重ねてまいりました。しかるに先ごろ
光武帝は笑う。
「きみは刺客ではなく、説客ではないか」
馬瑗は答える。
「いま天下では気軽に皇帝を名乗る者がひしめきあっておるものですが、こうして陛下に見え、その実に太っ腹でいらっしゃること、まさしく
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