02-08-04 更始六 劉玄

 劉玄りゅうげん洛陽らくように遷都した。町の長老らはやってきた兵たちの整然としたさまに「また漢兵かんへいの威儀ある姿を見れるとは」と涙した。


 劉玄は更に長安ちょうあんに遷都した。

 するとそこに赤眉せきび軍が襲いかかった。劉玄は逃げようとしたが結局捕まり、殺された。自立より滅亡までが三年であった。


 一方、この事件が起こる数ヶ月前に劉秀りゅうしゅう河北かほくにて帝位に就いていた。これがいわゆる、のちの世に言う光武帝こうぶていである。



蒙求もうぎゅう

劉玄刮席りゅうげんかっせき 晉惠聞蟆しんけいぶんばく

 王莽おうもうのあとに立てられた傀儡皇帝、更始帝こうしてい劉玄りゅうげん。彼は玉座について百官に面したとき、羞恥のあまり顔を上げられず、じっと玉座をなでさするだけであった。

 暗愚の象徴として知られる晋の恵帝けいてい司馬衷しばちゅう。かれは庭園でガマの鳴き声を聞き「このガマはお国のために鳴くのか、自らのために鳴いているのか?」とトンチンカンな質問をし、周囲を唖然とさせたという。

 暗愚な君主は、亡国を招く。

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