02-06-05 漢四 宣帝劉詢 2

 膠東びゅうとう王の宰相を務める「王成おうせい」が民をいたわったため、抜群の治績を上げた。そこで關內侯の爵位を与えた。

魏相ぎしょう」を丞相とし、丙吉へいきつを御史大夫とした。


 前 66 年、霍光かくこうの親族らが謀反を起こした。すみやかに平定、霍氏は族滅された。この平定に功あったものはみな列侯に封じられた。

 霍光のもとで増長していた霍氏一門を見て、「徐福じょふく」はその権勢を抑え込み、彼らが謀反を企んだりせぬよう取り計らうべきと何度も上奏した。しかし宣帝せんていがその言葉を受け入れなかったため、霍氏は滅ぼされるに至った。

 霍氏平定の恩賞に、徐福はあずかれないままでいた。そこであるものが上奏する。

「ある家に招かれた客が、主人に対してかまどの火勢が危ういことを忠告したところ、無視されました。結果、その家は火事になりました。村人の協力により、幸いにも火事はすぐに収まりました。そこで主人は消し止めてくれたものに礼を振る舞いましたが、そもそもはじめに忠告をしたひとのことは無視しております」

 それを聞いて宣帝は徐福にもまた絹糸の褒美を与え、郞に任じた。


 宣帝は即位したての頃、霍光とともに高帝の霊廟を参拝した。そのときの様子はいかにも居づらそうであったが、のちにともに参拝するものが「張安世ちょうあんせい」となったとき、その様子はいかにも居心地の良さそうなものであった。このため人々は「あの頃に既に霍氏の災いが始まっていたのだ」と語った。



蒙求もうぎゅう

應奉五行ようほうごこう 安世三篋あんせいさんきょう

 後漢で司隷校尉にまで至った応奉は博覧強記のひとであった。何か書物を読むときには五行同時に読み下し、しかもそれで遺漏がなかったという。

 前漢の張安世もやはり博覧強記のひとであった。武帝の時代に、三箱分の書物が遺失する事件が発生。その内容を把握できている者などいないだろうと思っていたところ、何と張安世が三箱分の書物をすべて暗記していたため、再現が叶った、と言うのだ。

 化け物じみた読み手二人。

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