02-03-10 漢一 張良 完
「言葉で諫めようとしても難しいでしょう。そこで、太子に手紙をしたためて頂きなさい。宛先は、陛下がどうしても召し抱えることの出来なかった四人の賢人、いわゆる「
早速呂雉が張良の助言通りにしたところ、四人の君子は来朝した。一方劉邦はこのとき
「わしがそなたらを数年乞うておったのに逃れておられたはずが、どうしていま、わしの子と遊んでおられるのか?」
四人は答える。
「陛下は軽々に士を軽んじ、罵倒なされます。陛下より屈辱を受けたくはない、ゆえに逃れておりました。しかるに、太子の仁孝にして士に恭敬を尽くされる様を拝見し、天下に太子のために死を厭わぬ者はおるまいと確信、こうしてまかり越しました次第です」
劉邦は言う。
「ならば、諸賢をお煩わせることとなろうが、我が子をどうかお導き頂きたい」
四人が退出した後、劉邦は戚夫人を召喚。四人の存在を語った上で、彼らの補佐を得た以上、皇太子を変更するのは難しくなった、と語った。
張良が死亡したのは中央で呂雉の権勢かまびすしくなっていた前 189 年、劉邦が死んで六年後のことである。
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