01-09 田斉

01-09-01 田斉 先祖

 でん氏のせいを語るにあたり、姜斉きょうせいと田氏との繋がりを書いておこう。


 陳のところで書いた通り、陳の公子陳完ちんかんが斉に亡命した。元々はちんの一門だから、姓はだ。ただし陳から斉に亡命したところではじめ陳氏を名乗り、のちに更に田氏に改めた。ちなみに「姓」が一門の大グループ、「氏」が姓の中の一グループ、と考えてくれればいい。


 陳完が仕えたのは斉の桓公かんこう。その五世代のちの人物が「釐子りし田乞でんきつ景公けいこうに仕え、租税の徴収にあたった。彼は民から年貢を納めさせるにあたっては通常よりも少なめに徴収し、種籾を貸し出すときには通常よりも多めに貸し与えた。こうして人心を買ったのだが、景公はこの振る舞いを食い止めることができなかった。晏子あんしが田氏に乗っ取られると危惧したのは、まさにこのことだ。


 釐子はそこから斉の中枢に食い込み、政を恣として、死亡。子の「成子せいし田恒でんこうも同じく斉の政治を乗っ取り、「簡公かんこう」を殺し「平公へいこう」を立てた。すでにこの頃、田氏の封爵地は斉公の封爵地よりも大きくなっていた。


 成子が死ぬと「襄子じょうし田盤でんばんが立ち、かんちょうとよしみを通じた。この三氏がしんを、そして田氏が斉を乗っ取ろうとしているわけで、目的が一致していたのである。


 その後「荘子そうし田白でんはくを経て「太公たいこう田和でんかが、遂に斉公に任じられたわけだ。

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