01-02-04 殷 湯王

殷王湯いんおうとう」。姓は、名は


 先祖は「せつ」といい、こくの子とされる。契の母「簡狄かんてき」が落ちてきたツバメの卵を飲み込んだところ、契を身ごもった。生まれた契はぎょうの元で司徒となり、しょうに封爵され、姓を賜った。

 契の子孫が、順に「昭明しょうめい」「相士しょうど」「昌若しょうじゃく」「曹圉そうぎょう」「めい」「しん」「」「報丁ほうてい」「報乙ほうおつ」「報丙ほうへい」「主壬しゅじん」「主癸しゅき」。そして主癸の子が天乙てんおつ、つまり湯王である。


 湯は始め「ごう」に住まい、「しん」に住まう賢人「伊尹いいん」を招聘、更にけつに推挙した。採用されなかったため、伊尹は湯の元に帰還した。

 桀は無道を「關龍逢かんりゅうほう」に諫められたため怒り、關龍逢を殺害。湯がそのために慟哭したと聞くと、今度は怒りを湯にも向けてくる。湯を召喚し幽閉。ただ、間もなく釈放された。

 夏に愛想を尽かしていた諸侯は伊尹を筆頭として湯の元に集い、「湯の徳は獣にまで及ぶ」と忠誠を誓う。そして桀を討伐、「南巣なんそう」に追放し、湯を新たな王に立てた。


 しかし即位後七年間、国は旱魃に襲われる。そこで湯は自らの身を供物として捧げるべく宣言、「桑林そうりん」にて斎戒の上での祈祷に入る。自らについて六つの落ち度を数え上げ、責めた。政の節度不足、民に職を与え切れていない、宮室の威厳を保てていない、女官らの陰口が止まらない、贈賄がある、讒言がある、である。これらを申告し終わるか終わらないかのうちに、遂に雨が降り始めたという。



蒙求もうぎゅう

龍逢板出りゅうほうはんしゅつ 張華台坼ちょうかだいたく

 後漢ごかんのひと宋均そうきんが著した「論語ろんご陰嬉いんきせん」に載る事績が元ネタ。ある朝、關龍逢の予言が刻まれた金属板が発掘された。そこには「臣が死ぬとき、桀王もまた囚われるであろう」と刻まれていたという。

 一方の張華は西晋せいしん武帝ぶてい賈南風かなんふう政権を大いに支えた人。賈南風は最強の悪女と言われる割にその政治はわりと安定していた。張華がよく支えていたためと言われる。その後八王はちおうの乱の立役者である司馬倫しばりんにより、賈南風もろとも殺されてしまう。殺害前夜、張華が就いていた司空しくうに相当する星座「だい」の星がけたのだそうだ。要は流星である。

 国亡に絡む、二人の忠臣の死にまつわる予言がセットになっているわけだ。



蒙求もうぎゅう

龍逢板出りゅうほうはんしゅつ 張華台坼ちょうかだいたく

 後漢ごかんのひと宋均そうきんが著した「論語ろんご陰嬉いんきせん」に載る事績が元ネタ。ある朝、關龍逢の予言が刻まれた金属板が発掘された。そこには「臣が死ぬとき、桀王もまた囚われるであろう」と刻まれていたという。

 一方の張華は西晋せいしん武帝ぶてい賈南風かなんふう政権を大いに支えた人。賈南風は最強の悪女と言われる割にその政治はわりと安定していた。張華がよく支えていたためと言われる。その後八王はちおうの乱の立役者である司馬倫しばりんにより、賈南風もろとも殺されてしまう。殺害前夜、張華が就いていた司空しくうに相当する星座「だい」の星がけたのだそうだ。要は流星である。

 国亡に絡む、二人の忠臣の死にまつわる予言がセットになっているわけだ。



湯王以降、詩経にその伝説が歌われていることがあります。そちらも併せてご紹介。

商頌 烈祖

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918856069/episodes/16816700427570254574

商頌 長發

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918856069/episodes/16816700427675436783

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