烈祖(引用5:中宗大戊、湯王を祀る)
ああ、勲功壮烈たる湯王。
秩序と幸いをもたらされるお方。
そのお恵みはいつ果てるともなく、
予、大戊の身にまで及んでいる。
清酒を捧げれば、
我が思いは叶おうか。
併せてこの身を戒めつつ、
スープの味を調え、備える。
神前に進み至るも喋る者はなく、
我先にと争う者もない。
我を安んじ、長寿を授けられよ。
いつしか髪が白髪を越え、
黄色となるまで。
飾り立てられた戦車に、
八つの鈴がしゃらしゃらと音を奏でる。
諸侯らも霊廟に集い来たり、
天子の祭祀をサポートする。
こうして予は天命を大いに受け止め、
天より幸いは下り、
豊かな実りが約束される。
祖霊らもまた祭祀を受け取り、
幸いを下す。
祖霊らよ、我が供え物を受けられよ。
これ、湯王が子孫の行う祭祀なり。
○商頌 烈祖
こちらは殷の中宗、大戊が湯王を祀ったものとされておる。那に比べると、やや祭祀の輪郭がはっきりとしてきた印象もある。商頌とはすなわち詩経にとりて「前の国の歌」であるから、それを保存し置くには、果たしていかなる意味があるのであろうかな。
とりあえず詩題で検索を掛けると曹叡がうるさいのは既定路線であるが、拓跋珪もわりとうるさかった。
■天命をよく引き受ける
「溥將」で「広大」に意味がはまってくるようである。よって韋玄成は劉邦がよく天命を引き受けた、の意味で当句を用いておる。楊皇后については死後の追悼文である。よくわからぬ。
・漢書73 韋賢 子 韋玄成
高皇帝聖德茂盛,受命溥將,欽若稽古,承順天心,子孫本支,陳錫亡疆。
・晋書31 武元楊皇后
纘女惟行,受命溥將。來翼家邦,憲度是常。
■和して同ぜず
斉公がおべっか使いをかわいがっていたところ、晏子が「それは調和ではなく、ただの同質化ですよ」と当詩を引く。いわく、「和」とは見事に味が調えられたスープのようなものである、対して「同」とは水に水を加えるがごときものである、と言う。異なるものを調和させることが尊いからこそ、当詩でスープの味を調えることが取り上げられている、と語るのである。
ただ、晋書宋書に載る「祠廟饗神歌」においては、単に供え物のためのスープを作る、程度の意味合いしか持たぬようであるが。
・左伝 昭公20-12
故詩曰.亦有和羹.既戒既平.鬷假無言.時靡有爭.
・晋書22 楽上
・宋書20 楽二
犧樽既奠,清酤既載。亦有和羹,薦羞斯備。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%BA%8C%E5%8D%81#%E3%80%8A%E7%83%88%E7%A5%96%E3%80%8B
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