第530話 クリストファー・レガ―

❝複雑な世界を知ろうと没頭したら、気づかぬうちに

友人を失い、仕事も失い、全てを失った❞



これは比喩的な言葉であるが、それと同時に事実でもある。

自分の力量を知らずに、難しい事を考えた所で答えは出ない。


しかし、大勢の人は答えを知ると納得するが、実際は知って

いないと言える。


ソクラテスは、❝言葉はその人の人生を賭けた答えを容易に

知る事ができる故に、本を読むべきだ❞と言ったが、

現代ではそうとは言えない。


このように哲学の言葉でも絶対とは言えない時代に、

インターネットの普及により、突入した。


正しくはあるが、絶対では無い世界が今の時代だ。

間違った解釈を持論としてネットに上げるだけで、

大勢の人が勘違いをしていく。まるでウィルスのように

その増殖はある種、根絶不可能なウィルスと言える。


本来ならば、正しい答えが広まるはずではあるが、

浅い知識の人間ではあるが著名なだけで人はそれを信じる。

何の根拠もない事でも、疑いもせずに信じ込む。


それは知識が浅いせいでもあるが、発言者が問題だ。

持論として言うなら話は別だが、多少の知識では

知る事が出来ないのが❝哲学❞だ。


哲学的な言葉を言えば知識の無い人からすれば知的に

見えるが、それらの殆どは持論では無い。

過去の偉人たちの言葉である。


彼等の人生は様々で、本当に1~100まであるような

人生を送っていた。そして誰もが自分自身で気づき、

その言葉を残している。


その言葉は哲学的なあらゆる事を追求し尽くして

ようやく得れる言葉だ。誰もがその答えを知っている

訳では無いが、哲学を教える事が出来ないとされてきた事は

正にそこにある。


簡単に言えば、今の私では二段階目には到達した。

第一段階は哲学を理解する事だ。

そして第二段階では、哲学の意味を知る事にある。

私は第三段階を歩き続けているのが現在だ。


これは哲学的に難解な問題に没頭したが、

それを知る事さえ出来ず、

多くのモノを失ったという言葉である。


焦る必要は無い。確実に歩めばいい。

急ぐと本物を見落としてしまうからだ。

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