第489話 海外ドラマ ボアード・トゥ・デスより
私はあまりお笑いが主軸の、海外ドラマは見ない。
しかし、これは日本人が見ても面白い内容だった。
主人公は一冊だけ出版した小説家で、
二冊目のアイデアが浮かばない日々を送っていた。
主人公は3人いると言ってもいいほどであり、
書けない小説家と売れない漫画家、
そして出版業界の大手の会社を経営する社長が、主な主人公だ。
冒頭で、主人公と同棲していた彼女が去るシーンから始まる。
彼は最後に別れたくないと言うが、彼女に「あなたはいつもそう。もう手遅れよ」
らしき事を言われて、引っ越しの車に彼女は乗り、去っていく。
主人公は小説のアイデアが浮かばない為、
求人広告を見て家賃代等を工面しようとする。
彼はそこで探偵業に目をつけて、資格が無くても大丈夫だろうと
安易な考えで、格安探偵として仕事を始める。
見事なまでに三者三様で、個性豊かな俳優陣で実に面白かった。
私の脳裏に焼き付いた言葉がひとつだけあった。
それは高齢な社長が病気になり、手術をする事が決まった時、
彼は何とも言えない顏をしてこう言った。
「まだ、何も悟れてないのに……」
彼のように、高齢で哲学の片鱗を知る事になる人が、
現実では殆どがそうだ。
究極の悟りである「頑張れ」の真の意味を理解する事が出来れば、
その他の分野の哲学に関しても、見えやすくはなる。
この海外ドラマで、一番記憶に残ったのはその言葉だ。
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