第488話 NUMBERS 天才数学者の事件ファイル 黄金比

チャーリー「花弁はらせん状に並んでる。各列の枚数は、その前の二列の枚数の合計になる。


水晶の構造や銀河、オウムガイの渦巻きにも見られる。


各列の枚数と前の列の枚数を比較すると、その比率は、ほぼ1.61803。


この比率は“黄金比”と呼ばれ、ギザのピラミッドやパルテノン神殿、このお祝いのカ

ードの寸法も花と同じ比率で作られている。


数学は自然の言葉で、人と会話する手段なんだ——すべては数字だ」


チャーリーはそう言うと、彼女に一輪の花を手渡した。


FBIの女性捜査官「今の話には興味がわいた」彼女は笑顔でそう答えた。



一時期、ネットで安易にオウムガイの黄金比率に触れた人間がいた。


人は噂に左右されやすいものであったため、それはただのデマだと広がった。


これからは更にネット社会になっていく事は明白である。


故に安易な発言は命取りになりかねないだろう。


自己理論ならば問題はそれほどない。


しかしそれには、自己理論が正しい事を証明する必要がある。


私は当時、そのようなデマを見て、何とも弱い人間が書いているのだろうと


思った。人間社会において、適当な人間は信用されない。


適当だから信用されないのだが、本人が気づく事は無い。


私は人生で学んだ人間の哲学理論を、昔研究した。


研究していくうちに、見えなかったモノや、多くの知らなった事を知った。


それは何故か? 


答えは簡単だ。研究していく過程には難解なものほど、


他の多くの知識を必要としていくからだ。


私はここ数週間、闇にいた。自力では抜け出せない場所にいた。


パンドラの箱のように、悪意や憎悪で渦巻く中にある光は、希望だけだ。


希望しかないが、希望とはそれらに打ち勝つ可能性を秘めているから


パンドラの箱に入れたのだと思う。


パンドラの箱とは何かを軽く説明しておこう。



{ギリシャの太古の昔、人間たちは、神、プロメテウスによって火を使うことを教えられた。これによって人間たちの暮らしは豊かになったが、同時に、火を用いて争いを発展させる事にも繋がった。


そこで、全能の神ゼウスは、人間たちを懲らしめるために、パンドラという女性に箱(本来は壺)を持たせて、人間界へと送り込んだ。絶対に開けてはいけないと言われていたその箱を、好奇心にかられてつい、開けてしまうパンドラ。


すると、中から疫病、犯罪、悲しみなどなど、ありとあらゆる災いが飛び出してきた。慌てたパンドラが箱を閉めた結果、箱の中には「希望」だけが残された、という話である}


神は人間を罰する為に多くの悪意を封じ込めたが、希望も同時に入れた。

それは神が人間を愛していたからだと私は思う。


私はここで知り合えた人によって今回、闇より抜け出す事が出来た。


まだ完全では無いが、哲学関係の事なら書ける。


また書き続け、完全に復活したら新しい事にも取り組むつもりだ。

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