第477話 生と死について

生と死については、何とも言えない。


皆それぞれ、悩みから自殺を図るのではないだろうか。


成否に関しても、運も左右する。


基本的には、簡単に出せる答えでは無い。


そこをまず理解するべきである。


死の選択を選び、実行に移すには、それなりの理由がある。


但し、絶対的に必要な存在は理解者だ。


理解者がいないと時間の問題となってしまう。


ありきたりな理由ならば、理解者もいるだろう。


しかし、我々と芸能人の間には、多くの分からない事が実在する。


我々が考えても分からない理由の可能性のほうが高いだろう。


安易に口に出す問題では無い。


私も四年前に初めて自殺を図った。父は医者で薬も院内で出していた。


そして母は重度のうつ病で、病院からの薬だけでは足りず、父に頼み


製薬会社から多量の精神安定剤と睡眠導入剤を入れていた。


私の問題はやはり一般の人が経験する事は無い悩みであった。


それに加え、医者という肩書の父に、常時、薬で精神を安定させている母、


詳しくは実話を最近、書き出したので知りたい人はご覧ください。


簡単には理解出来ない世界であるという前提を基に、読んでください。


最初の自殺に私は、大量の安定剤と睡眠導入剤とお酒で死のうと思い、


数カ月かけて大量に貯めた。どのくらいかは正確な数は分からないが、


千~千五百は確実に貯めた。水で飲んで最後にストレートのウォッカを


飲んだ。薬を飲んで普段なら30分くらいは効果を感じないのに対して、


お酒を飲む前にすぐに効果が表れた。立っていられず、意識が混濁して


倒れた。お酒は殆ど飲めないまま記憶は途絶えた。


しかし目が覚めた。最初に思ったのは失敗か、という思いだけだった。


立つ事はできなかった。携帯の電源は切っておいた為、電源をいれた。


三日と数時間過ぎていた。普通の状態に戻るまで一日近くを要した。


私は身内の仕事で、腐った死体の臭いを知っていた。


しかし、冷暖房の権限は父か母にしか無く、殆どつけてもらえない状況だった。


自分たちが我慢できない時にしか、冷暖房は付けない上に、自分の部屋の窓は


特殊な特注ガラスでできており、大きさも太さも一般市場では売られていない


ものだった。網戸をつけたが、私の部屋の位置は丁度、角にあり隣の建物の陰


にあった為、風が入らない位置であった為、見つかるとしたら、腐臭で見つかる


事以外考えられなかったので、選択肢は少なかった。


動脈を切り死ねば、すぐに腐ることは容易に予想できた。


失敗を活かし、死ぬ方法を色々調べた。なるべく苦しみたくもなかった。


色々調べた結果、海外から有毒ガスを輸入し、有毒ガスではあるがどのくらい


吸えば死ねるのかなどを探して、病院から吸入マスクを取ってきて、


季節は10月を過ぎていた為、腐りにくいように12月を選んだ。


12月31日に別に特に理由は無いが、何となく終わりの年越しを選んだ。


テレビのお笑いや映画や漫画、PCゲーム等が好きだったが、全てが


時が止まったように辞めていた。毎日見ていたメールのチェックも全て


の日常が消えていた。


私も簡単に死を選んだ訳じゃない。生きるためにはどうすればいいのか


考え抜き、譲歩に譲歩を重ねて、譲ってもまだ父母は私を追い詰めた。


地元の警察官と記録に何故死んだのかは記録されていた為、事件性が


出ると教えてもらっていた。安定剤と睡眠導入剤をガスで苦しくなって起きないほど


五百錠くらいを飲んで、しっかりと吸入マスクを外れないように取り付けて、寝返り


などが起きても、外れないように、ガムテープで固定し、躊躇ためらうこと無


く、ガス栓をひねった。私は運悪く普段なら入って来ないはずであった幼馴染が1月


1日にきてノックをしても返事が無いから入って来たらしく、私は気づいた時には、


頬をビンタされて意識を取り戻した。私は私の不運を呪った。最初に出た言葉は


「なんて事をしてくれたんだ」と私は言ったのを、今でも覚えている。


もう私が、意味のある自殺をする時期は過ぎた。だから生きているだけだ。

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