4・4 南伊豆 ユウスゲ公園 その2

一つの街灯も無い深夜のユウスゲ公園。

人の気配の無い雨上がりの駐車場。

根拠など無いのだが、エンジンを切ったら最後、再始動出来ないんじゃないかという不安が脳裏をよぎる。


そうだ! とりあえずエンジン掛けたまま降りればいいじゃん!

変な声とか音とか聴こえても怖いから、オーディオもそのままにしとこーっと!


自分を天才だと思った。

(実際はただのビビリです)


ガチャ…………ジャリ


足元がよく見えないほどの暗闇がそこにはあった。実際に隣の輪留めに躓く。そして顔を上げると、そこには息を飲むほどの星たちが輝いている。


うひゃー!! なんじゃこりゃー!!


思わず呟く。中学生の頃から星に興味を持ち、かぞえきれない程の星空を見てきた僕が、だ。

都会の街明かりから遠く離れ、且つ南側は太平洋。そしてつい先程まで降っていた雨が空気中のチリなどを消してくれたお陰だろう。


駐車場から階段を登ると開けた展望台になっているらしい。とりあえずスマホと三脚だけ持って階段を登ってゆく。最近運動不足のせいか、あっさりと呼吸が乱れる。でもそれは、この先に見えるであろうとんでもない星空への期待から早足になってたことも原因だ。ヘッドランプで足元を照らしながら一歩一歩ゼーゼー言いながら登ってゆくと不意に段差が無くなった。展望が開ける。


お、お、お、お、うおぉーっ!!www


360度の展望。蠍座から夏の大三角へ緩やかなカーブを描く濃い天の川。

何よりも空が暗く無数の星が輝いている。

僕は暫しの間、口をポカンと開けて空を見上げていた。自然と笑みがこみ上げてきた。

予想していた以上の星空のせいだ。


スマホをセットして撮影開始。

もう何も怖くない。むしろこんな星空を独り占めしていることに恐縮していた。

望遠鏡も双眼鏡も車に載っているのだが、もう肉眼で見てるだけで十分だ。


周囲に誰もいないことがわかったので、車からウォークマンとスピーカーを持ってきた。

星空の下、快適な音量で好きな曲を流す。ラッキーなことに明るい流れ星も流れる。至福の時が流れていった。



まぁ、僕の語彙力&文章力ではこれが精一杯。言葉では表せないほどの星空でした。

雨のせいで地面が濡れていたこともあるけど、ずっと立って星空を見ていました。でも全然疲れないんですよね。


夜明けまでウロウロしてましたが、人工衛星もビーナスベルトも見ることができました。なんだかてんこ盛りでお腹いっぱいです・笑


暗夜が終わり、次第に東の空が明るくなってくるタイミングで聴いた『スパークル』はジーンときました。つい何回もリピートしてしまいました。ボリュームもちょっと大きめにしたりして。

残念ながら三葉ちゃんは現れませんでしたけどね・笑


南伊豆ユウスゲ公園の星空はとにかく素晴らしいものでした。

遠いけど、いつかまた訪れたいと思います。

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