第2話



「蒼くん! 早く学校いこうよ」

「――ん、そうだな。時間的におしてるし早めにいくぞ!」

「いやそれは私のセリフだよっ」


 学校へ、朝の冷たい風を感じながら走りぬけた。

 いつも通りの朝。幼なじみと通う普通の高校生。まるで普通の一日を送っていた。

そんな中、一つの新しいことがやってきた、それが転校生だった。


かえで、今日ってさ。転校生くるって先生がいったよな?」

「うん。そうだよ! 聞いた噂には相当なお嬢様がこの学校に来るらしいよ」

「相当なお嬢様?」

「良さそうな男を探して金払いで飼おうしてるとかなんとか」


ワントーン低い声で言う。


そんなことするやつは普通はいない。しかし噂というのはどんな話であっても広がってしまうものだ。


 そんな噂があるのか……。

 流石に嘘だとは思うが、それを聞くと少し抵抗がうまれるな……。


いやいや。噂だけで人を判断するのは良くないぞ! 

見てみると案外、予想とまったく違うこともあるしな。


「あ、やば! 教科書忘れちゃった!!」

「――おいちょっと待てよ。それやばくねぇか!? 戻ったら時間まに合わんぞ?」

「蒼くんはいってていいよ! 私も急ぐから!」


 そういうと楓は風のように走りだした。


「おーい! ちょっと待てよ。俺も行く――」


 いやあいつ速すぎるだろ! 走っていこうにも、もうあんなに距離があるとは……。


 まあ、あいつなら遅刻しないで学校来れそうだから大丈夫か。

 楓は女子の中ではトップの足の速さ、男子にも引きを取らない。体力が保つのかは知らんが。


 学校方面へ足を動き出す。


しかしお嬢様か。

この時期、この学校に転校なんてかなり珍しいと思うがなぜだろう? 普通の理由ではなさそうだが……。


そう考えながら歩いていると一台の車が目の前を通る。通るとすぐに急ブレーキを踏んだためか車が止まった。

普通では見られないような高そうな車が見られた。


いかにも高そうな車なんだが。これはなぜこんな所に止まったんだ?


そして車から男3人といかにもお嬢様の見た目がした女性が降りた。


どうやら視線がこっちを向いている


まてまて。俺なんかしたか? いや待て、俺な訳がないだろ。

大丈夫だ、普通に歩いてれば……。


そう思いいつも大股で早く歩いた。しかしお嬢様から声が聞こえてきた。


「あなた、私の家に住むつもりはない?」
























 

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