第15話 咲薇からの手紙
「親愛なる姉妹へ
いつも遠い所からわざわざ足を運んでくれてありがとう。
あたしは今週鑑別所から少年院へと移送されることになりそうです。
ここの担当の職員の人にどうか関東へ行かせてくださいとお願いをしときました。
女子の施設は全国でも多くはないので希望はなるべくそのようにしてくれるそうです。
いつもみんなが来てくれるのが本当に嬉しいので、少しでもみんなの負担が減ってくれたらえぇなと思ってそうしました。
少年院に行ってからが本当のスタートや。
1年間みっちり頑張っていくので、これからも応援よろしくお願いします。
大好きやで、綺夜羅。」
綺夜羅は風矢咲薇からの手紙を嬉しそうな恥ずかしそうな顔をしながら読んでいた。
愛羽との出会いから東京連合の雪ノ瀬瞬や大阪から一人旅をしに来ていた
そして、その男を殺してしまったのは他でもない咲薇の中のもう1人の人格だったのだ。
白狐をめぐって大阪の
しかし自分にナイフを突き刺そうとしても、燃えさかる炎の中1人閉じこもろうとも愛羽や綺夜羅に助けられてしまう。
『お前が死ぬはずだった運命。それ乗り越えたらよ、覚悟決めて一緒に生きようぜ』
自分のことを大切な姉妹だと言ってくれた綺夜羅に支えられ、咲薇は生きて自首し罪を償うことを決めた。
将来綺夜羅と一緒にバイク屋をやること。その夏一緒に見ることを諦めた大阪の花火大会をいつか一緒に見ることを約束し咲薇は逮捕された。
そして家庭裁判所での審判により中等少年院長期(1年)という処分が決まり、その行き先を関東に希望したということなのである。
「時に綺夜羅、最近神奈川で物騒なことがよく起こっているらしいのを新聞でよく見かけるよ。だからなんか心配なんや。
君や君の仲間たちはホンマに無茶ばかりしよるから、そんな記事を見かける度に不安になってしまいます。
君にこんなことを言うても無駄かもしれんけど、何があっても命を落とすような無茶はせんといてね。
みんな元気で待っといてほしい。
そんな風に思っとる姉妹がおることをどうか忘れんといてね。」
逮捕され外の世界から隔離されると外の情報は新聞やテレビ、ラジオでしか入ってこない。
少年鑑別所や少年院にはテレビはあるが必ず好きなチャンネルを見れる訳ではないし、留置場にはテレビはない。
だから咲薇は新聞だけは毎日読めるだけ読んでいた。
綺夜羅は新聞はもちろん、ニュースも見ないので何も知らなかったが自分の目や耳に入ってこないようなことなど特に気にすることはないと思っていた。
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