冬大会
【1回戦-1】
冬大会オーダー
猪野塚(二)
会田(二)
安藤(三)
佐谷(三)
菊野(二)
大谷(一)
高岩(一)
鍵山(二)
星川(一)
中野田(三)
バルボーザ(一)
北陽(四)
福原(三)
安藤は名前を一人一人読みあげていった。そして、福原は最後まで呼ばれず、ずっと体を揺らしていた。
「一日目は北陽先輩が来られない。七将は入れ替わりで行くことになります。基本は福原さん。ただ、初戦は猪野塚君で行って、オーダーを読ませないようにします」
12月20日、大会三日前の発表だった。北陽が遅れることにより、七将に指名されたのは福原だった。圧倒的というほどではないが、最近はよく勝っている。
「え、えっと、二戦目から出る?」
「そうなるね。三戦目は房総学院戦だから、そこはまた考えるけど」
安藤は、今度の大会は存分に作戦を練るつもりでいた。今年卒業するのは北陽一人。今度入ってくる一年生によっては、本当に優勝争いをできるチームになれる。そのためにも、今度の大会は上位陣に食いついてみたい。
「頑張る……」
「うん。みんな、体調を整えてね。防寒も考えて準備して。じゃあ、オーダー発表はこれで終わります」
冬の大会は、すぐ間近であった。
冬大会参加校
紀玄館大学(関西1)
房総学院大学(関東1)
古都大学(関西2)
嶺光学院大学(中部)
県立大学(中国)
仙王山寺大学(関東2)
日本海大学(北信越)
海鳳学園大学(北海道)
宮森大学(東北)
糸島大学(九州)
1回戦
対仙王山寺大学戦オーダー
1 会田(二)
2 佐谷 (三)
3 大谷 (一)
4 鍵山 (二)
5 中野田 (三)
6 バルボーザ (一)
7 福原 (三)
「なんか強そう」
県立大の前に並ぶメンバーを見て、思わず安藤はつぶやいた。
いよいよやってきた全国大会。初戦の相手は初出場の仙王山寺大学だった。仏教系の学校で、将来僧侶になるために入学してくる者も多いらしい。そのせいか、引き締まった顔をした短髪のメンバーが目立つ。
県立大学は、安藤的にはオーソドックスな並びになっていた。大将会田は新人王とうこともあり、他地区の人間も調べたうえで警戒してくれるだろう。蓮真は三将と迷ったが、今回は副将でできるだけ勝ってもらうという作戦である。大谷、鍵山がきつい位置となったが、その分中野田の当たりがゆるくなるはずだ。バルボーザと福原はレギュラーとして考えるなら下で出すしかない。
ここまでは読まれやすいオーダーだと安藤は思っていた。しかし、このあと七人目を入れ替えることで何とか相手を惑わすのが今回の作戦である。
初出場とはいえ、関東第二代表。優勝候補の一角である。ここで躓くと、一気に空気も悪くなってしまう可能性がある。
「さあ、みんな頼んだよ」
控えの六人は、それぞれの役目を果たすべく散っていった。出場メンバーや戦型を記録していくのである。大会は、全員で戦うのだ。
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