【県内交流戦-2】

1回戦

県立大学1-4棋のままこども将棋教室

1 菊野(二)×

2 星川(一)×

3 高岩(一)×

4 猪野塚(二)〇

5 閘(一)×


2回戦

県立大学1-4樫の芽支部

1 菊野(二)×

2 星川(一)×

3 高岩(一)×

4 猪野塚(二)〇

5 閘(一)×



「はあ」

 昼食を食べながら、菊野は大きなため息をついた。

 午前中の二戦は、どちらも猪野塚が勝っただけの1-4負け。子供にもおじさんにも、4人がいいところなく討ち取られた。

 予想できていたことではあるが、やはり負けると落ち込む。

「次よ次!」

 猪野塚は早々と弁当を食べ終え、菊野にげきを飛ばす。

「そうねえ」

「スイス式だし、楽になっていくっしょ」

 スイス式トーナメントは、成績が同じチーム同士を当てていく方式である。つまり、県立大学の次の相手は、二連敗のチームになる可能性が高い。

「あ、次の相手が貼り出されてますよ」

 会場前のホワイトボードに、星川が走っていき、戻ってきた。

「どこだった?」

「苓徳高校Bでした」

「苓徳かあ」

「猪野塚さん知ってるいんですか?」

「知っているも何も、俺と高岩の出身校だよ」

「えーっ」

 高岩は気まずそうな顔をしていた。彼にとっては、出身校の後輩たちは見知った顔が多いのである。

「Bが出せるまでになったのかあ。たいしたもんだなあ」

「あ、でも四人でしたよ」

「ひのっちおめでとう」

「え。あ、どうもっす」

 部員たちは、三回戦が行われる席へと移動した。すでに苓徳高校Bのメンバーは着席しており、先輩たちの顔を確認して深々と頭を下げた。

「えーと、二人知らないな。一年生?」

「はいっ」

「まあ、お手柔らかに」

 苓徳高校Bは、大将と副将に一年生が入り、三将と四将は高岩の二学年下の二年生だった。何度も指したことのある相手で高岩は気まずそうだったが、相性は決して悪くなかった。そして彼は大学で強豪に鍛えられ、全国大会のメンバーにも選ばれた人間である。終始リードを保って、高岩は勝ち切った。

 猪野塚も先輩の貫録を見せて勝利。上二人は一年生たちに負けたものの、ようやくチーム初勝利を得たのであった。



3回戦

県立大学3-2苓徳高校B

1 菊野(二)×

2 星川(一)×

3 高岩(一)〇

4 猪野塚(二)〇

5 閘(一)□

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