第96話 ヤキモチ
そしてようやく取り付けたタンクに抜いたオイルを再充填。補修箇所からの漏れは無し。
学生時代にコケて割れたバイクのカウルの修理に付き合わされた経験がこんなとこで役に立つとは。人生、どこで何が役に立つのかなんてわからないもんだ。だからチャンスがあれば面倒臭がらず色々と経験しとくもんだな。
このタイミングで
話を聞いたらどうやらメーカー指定の純正オイルらしい。それはそれで探すの大変そうだけど高性能オイルは高回転時のパワー感はあるけどキッチリと廻してやらないと逆にカーボンが増えたりするしね。街乗りメインならメーカー純正の方があってる。何事も用途を考えて選ばないと。個人的にはヤマハ純正が推しだったりするのだが。
オイルタンクが付いたらガソリンタンクのラインを繋いでから右側にあるオイルポンプのカバーを開ける。ボルト三本で固定してるだけだから簡単に開きます。鵞鳥のオイルフィルターみたいな感じ。
まずはポンプ本体の正面にあるネジを緩めてオイルを駄々洩れ状態にしてホース内のエアを押し出す。オイルタンクの給油口を開けておくと意外と抵抗なく流れ出てくる。
適当なタイミングでネジを締めオイル漏れを止めるる。多分これだけでエア噛みすることはないと思うけど念のためにエンジンを掛けて二次側の透明なホースをチェック。ポンプにエアが入っていればここに送られてくるオイルに気泡が混じるはず。
バッテリーが新品のせいなのか交換部品のおかげなのか不明だがライトも少し明るくなった気がする。
でも安心して下さい。頼んでますよ。
手配したのはハロゲン球だけど。LEDも魅力的だったんだけどヒートシンクがデカかったり長かったりするんで収まりにちょっと不安があったので無難な物にしときました。ちょっと安いし。しかしPH7なんてマイナーな口金のバルブなんで採用するかな。
話が逸れた。ポンプの吐出量は極少量なのでバルブを手で全開にして回転を上げずにオイルだけ送ってやる。焦らずに気長に様子を見たいところ。混ざっていたらホースの気泡がインシュレーターの中に送られるまで回転を上げずにジッと待つんだけど今回は大丈夫なようなので二次側は特に弄りません。ホースもカチカチなんで触らない方が正解だな。
ここまで確認できれば当初目標は達成。磨いたカウルを戻して終了でもいいんだけどそれじゃあ勿体ない。(意味不明)
そこで余計な整備その二。
ここまでやったらキャブの掃除。
当然と言えば当然でここまでバラシてやらない意味が分かりません。
まずは仮置きしたガソリンタンクを再び移動して手前にあるチョークワイヤーを外してから天辺にあるスロットルバルブを固定している蓋をクリクリと回して外す。後はエアダクトとインシューレーターのホースバンドを緩めてグニグニとしてやれば外れます。
中を覗くと意外と綺麗。アイドリングも落ち着いていたので軽くパークリ吹いただけでやめておきます。スロットルバルブもバラしてみればニードルの設定も標準の上から二段目。変なイジリも気配がありません。こちらもパークリでざっと洗って組み戻し。
ここまでやったんでインシュレーターも外してリードバルブも状態確認。2ストはこの辺スカスカなんで工具も楽に入ります。鵞鳥にも見習ってほしい物だ。変な反りがあれば左右組み換えでもしてやろうかと思って外したリードバルブはこちらも問題なし。内側のガイド外してパークリ吹いたら内側に溜まってたから変な隙間もできていないようで一安心です。
無事を確認できたならサラッと組み戻して本日の作業は終了としましょうか。
偉そうなこと言いながらもこの後キャブがエアダクトに上手くハマらず何気に時間かかったのは内緒でお願いします。(全然サラッとできてない)
あー肩凝った。(オッサンの証明)
その帰り道の出来事。
『カッ、カラーン』
我が家を目前にして突然の金属音がした。
ヤバッ、何か外れた!
慌てて鵞鳥を路肩に停めて状態チェック。しかし既に周りは真っ暗で全然わからん。近くの路上にもそれっぽいのは落ちていない。
『トットットットッ』
暗い夜道には鵞鳥の規則正しいアイドリング音が静かに響いているだけだ。
何度か空ぶかししてみるがレスポンスは至って平常。エンジン回りにも何かが漏れている形跡は見当たらない。
アクスルシャフトやブレーキキャリパー周りのボルトの状態を確認しても異常はなかった。
これ以上ここに留まってもできることがないのでエンジンが動いているうちに家に帰ることにした。もちろん超が付く安全運転で。
これは
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