第62話 お買い物
小雨の月曜日。結局、農協さんの後に来客は無く、弦さんも帰っちゃったので独り静かにコーヒーを飲みながら読書に勤しんで16時に早仕舞いとした。
うん、いつものペースだ。これが天気のせいなのか曜日のせいなのかは分からない。何しろ経験値が圧倒的に不足してるんだから。
ちゃんと15時前には三音里ちゃん母に連絡して早仕舞いの許可も貰ったよ。雇われてるんだから報連相は必要な事でしょ。そうしたら『コーヒーメーカーのカタログをメールで送っておくから明日までに決めて』と言われた。木曜までにはレンタル機材を届けてくれるらしい。仕事早いなお母さん。
入口に本日早仕舞いの貼り紙をしてからチョロQに乗り込みイグニッションをONにする。
『カチッ』
燃料ポンプのリレーの動作音を確認してからセルモーターを回すと660ccの小さなエンジンが元気に動き出すと同時に一旦最大値まで跳ね上がったタコメーターの針が0に戻り再び設定したシフトポイントまで上がってからアイドリング回転数を指し示すために忙しなく動く。
この社外品タコメーターの初期動作が結構気に入っている。外付けだといかにもな雰囲気が強すぎてあまり好きではないのだが、この車はバイクの様なメーターケースにほぼ無加工でポン付けできるので一見するとその存在に気付かないのがスマートで気に入っている。しかし三眼のセンターに回転計をレイアウトするとはよく分かってらっしゃる。デジタルメーターの方が正確なんだろうけど私はアナログな針派です。
ポケットに買い物リストのメモが入っている事を確認してからゆっくりとクラッチを繋ぐ。買い漏らしがあると面倒なのでそこは慎重にいきます。
買い漏らしどころか余計な物を大量に買ってしまいそうな予感しかしないけど。
それでは買い出しツアーにしゅっぱーつ!
買い物は男だって楽しい。ホームセンターなら一日楽しめる自信がある。
百均も同上。
こんなに次から次に新商品が並ぶ店は他には無いだろう。店に行く度に目新しい物が必ずある。しかも用途が
そりゃついつい買っちゃいますよ。百円なんだから。ハズレても全然悔しくないどころか次こそはとまた行きたくなるくらいだ。
服とか靴とかファッション系は無理です。あとアウトレットみたいな人混みも。何が楽しいのか全く意味が分かりません。
本日のお目当てのディスペンサーの棚に広い店内を彷徨いながら辿り着く。途中の気になる棚を物色しながらだからちょっと時間がかかる。既にカゴには衝動に負けた結果が幾つか入っているのは見逃してください。
いやこれ何種類あるんだよ。オーソドックスな赤や黄色の円柱タイプも容量に応じた複数種あるし、ネジ式の蓋付きや被せるだけのキャップタイプ。その蓋も完全に外せる物とプラスチックの紐で本体に繋がっている物。本体も中が見えない色付き、柄付き、残りが見やすい無色透明があるし、形もストレートな円柱の他にも底が広くなり安定性の良さそうな物や目薬の容器をデカくしたような変わった形の物もある。
これ選ぶの?無理じゃね?
どれも良さげで悩んでも無駄だと思ったので論理的思考はさっさと放棄。これが出来るのが百均のメリットだ。ハズレたら即買い替えです。元々、耐久性もあてにしてないし。エコ推しの方すいません。大量消費社会の象徴だな。
一応考えていたのは洗浄が楽な口の広い物である事と注ぎ口を触らずに使える物ってくらい。調味料を入れっぱなしや継ぎ足しは衛生上宜しくないし間違って注ぎ口に触ってしまう様な事はこのご時世でなくても避けたい。
そんな事を考えながら直感のみでチョイス。
選んだのは注ぎ口の横に付いたボタンを指先で操作すると大きめの蓋がワンアクションで開閉できる物。本体も透明で残量が見やすいし容量も180mlと小振りで使いやすそう。ドレッシング用ボトル疑惑もあったのだが穴の大きさは問題なさそうだったので決定です。
赤と黄色を一組として五組十本を籠に入れる。これだけ買ってもたった千円。ホント凄いな百均。恐ろしい子。
本当は二種類にして一目で定期的な交換洗浄の確認が出来る様にしたかった。違う種類の容器が残っていれば交換し損ねたのがすぐわかる。今週の出番はAタイプでBタイプは洗いましょって感じ。けどそれはまた今度。混雑が続く様ならマスターに提言すればいいかと今回は見送った。
それに合わせてボトルを洗う柄付きスポンジと注ぎ口を洗う細いブラシも購入。これは使い比べて良さそうなものをリピートしよう。
選んだディスペンサーを実際に入れながらトレーも選ぶ。粉チーズとタバスコのサイズを想像しながら色々試すが中々しっくりこない。最終的に決めたのはプラスチックの小物入れコーナーに有る物ではなく浴室コーナーにあったパンチングメッシュのステンレス製だったりする。使い方は自由です。貴方の好きなように好きな所で使いましょう。
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