第28話 小さな不満


 春の日差しが眩しい青空に煙草の煙が立ち上っていく様をコンビニの駐車場の車止めに腰掛けながらボーっと眺めている。


 今日は三音里ちゃん達と約束した買い物の日だ。

 心配した天気も問題なく予定通りの買い出しツアーを決行することになった。


 別に俺が女子高生との買い物を楽しみにし過ぎて早起きしてしまった訳ではなく、移動距離がそれなりにあるので大人の責任として約束の時間は守らないとと余裕を見て出発したら早く着きすぎてしまっただけだ。


 黄金週間ともなれば昼間の日差しはそれなりに強くいつもの革ジャンじゃさすがに暑そうなので押し入れの奥で埃を被っていた古いライディングジャケットを引っ張り出してみた。


 グレーベースで背中に大きく昔活躍していたレーシングチームのロゴが入ってる。胸や二の腕にはそれっぽいワッペンが縫い付けてあり襟や肩当てには赤のパイピングが付いてこの歳で着るといかにも過ぎてちょっと恥ずかしいかも。


 これだけ取ってもこのタイミングでのウェア買い直しは必然だったかも。

 声を掛けてくれた三音里ちゃん達に感謝だな。


 そんな事を考えながら次の煙草に火を点けようとポケットから取り出そうとしたところで駐車場に入ってくる見知ったバイクを見つけた。



「すいません、待たせちゃいましたか?」


 鵞鳥の隣にバイクを停めてヘルメットのまま話しかけてきた。


「いや、俺もさっき来たところだよ。煙草一本分くらいの差かな」

「良かったー。じゃあこのまま行きましょう。お店近いですから」

「OK。後ろ付いてくからよろしくね」

「はい」


 女子高生’sがバイクを降りて方向転換してる間に俺はヘルメットを被りグローブを着けた。


『キュルボントットットットッ』

 エンジンは十分に温まってるので見事にセル一発。気持ちいい。


 軽く手を挙げて準備が整ったことを伝えるとゆっくりと道に出る二人の後に付いて俺も道に出る。

 後ろから見ると二人とも上半身の力みが抜けて姿勢がだいぶ様になってる。

 若い子の順応力は大したものだ。(オヤジ目線)


 目標の店には五分も走らず到着した。

 駐車場は広く、いかにも職人さんが乗ってそうな脚立を積んだワゴン車が二台と営業車の様な白いバンが一台。

 連休でも仕事となのだろうか?ご苦労様です。


 駐輪場はなさそうなので店舗前の駐車場の端のスペースにバイクを停める。

 堂々と駐車スペースに停めてもいいのだろうけど極偶にイチャモンつけてくる馬鹿者もいるのでその辺は気遣いの範囲だろう。

 避けられる揉め事は避けるのが賢いと思う。 


 ヘルメットをホルダーにかけてその中にグローブを突っ込む。

 一連の動作を完了して二人の方を見るとリアの座布団を外して何かやってる。


「どうした?」


「これ面倒なんですよ。シート外さないとヘルメット掛けられないんです」


 そう言われて覗き込んでみると付属のワイヤーをDリングに通してシート下のフックに掛ける仕様らしい。

 翼ちゃんのはシート裏の金物に直接リングを通すようだ。

 ヘルメットを落とさないように苦労しながら外したシートを傾けてる。


 おい、バイク屋。クイックシフター勧めるよりこっちだろう!


 そういえば昔乗ってたNSもこんなワイヤー付いてたわ。

 こういうとこメーカーは優しくないよね。

 標準装備で使いやすい物つけて欲しいもんだ。


「外付けできる部品があるはずだから探してみたら?そんなに高い物じゃないとおもうから」


「そんなのあるんですか?今度、ネットで見てみよ―かなー」


 隣で翼ちゃんがウンウンと大きく頷いている。

 やはり面倒くさいと感じていたようだ。


 うちの鵞鳥は外付けだけど一々鍵使うのも面倒なんでロック付きのカラビナをぶら下げてある。

 盗むやつは顎紐切ってでも持っていくからこれ以上は意味が無い。

 あとは肌身離さず持ち歩くしかないだろう。


 こういう小さな不便が積み重なってバイクから離れちゃう事もあるだろうからぜひともメーカーさんには頑張ってもらいたいとこだ。


 それを考えるとスクーターのメットインて画期的だったんだなぁ。







―・―・―・―・―


喉元過ぎれば熱さ忘れる。


時間最強。


だいぶ気持ちも落ち着いてきたので懲りずにまた書き始めます。


面白いと思って下さる方だけ読んでいただければ十分なんですよね。

てか、読まれなくても書きたいだけだし。


グダグダと小賢しい理屈で馬鹿にしながら読むような方は読まないで欲しいものです。


素人の駄文ですから。文学ではありませんのでお帰り下さい。


メンタル豆腐なんで全無視で行きたいと思います。


 

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