第9話 化粧直し
水曜日にタンクシーラーとタイヤとチェーンとバッテリーが届いた。
とりあえずはタンクシーラーですかね。
これがまた何となく怪しい代物でした。
蓋を開けようとマイナスドライバーで抉るんだけどグニュグニュ曲がって中々開かない。
海外製ってこういうとこ甘いよね。もう少し考えて素材選べや!
苦労して開けた中身は灰色というか銀色というかそんな色の液体でした。
コック側の底の穴をテープで塞いで給油口周りを養生したら漏斗を突っ込んで全て投入。意外と柔らかくて流れはスムーズです。
投入が終わったら給油口もテープで塞いでからタンクをひっくり返しながら怪しい踊りを太極拳のようにゆっくりと黙々と踊ります。
これ誰かに見られたら絶対変な宗教と間違われそうですわ。
全体に行き渡ったら余分な分をスポイトで吸い取って、再び乾燥待ちです。
4日かかるみたいだから本田さんのとこにお願いするのは来週だな。
金曜の夜に本田さんのとこで諭吉さんと別れを惜しみながら部品を受け取って来た。
フロントフォークとキャリパーの部品も揃ってると言われたが、タンクシーラーの話をして引き取りは来週の土曜にお願いした。
タンクは時々向きを変えながら乾燥中。
どうしても中に残って溜まってしまっているシーラーを伸ばして乾きやすくするためだ。
努力の甲斐があってか中で流れるシーラーは確認できなくなってきた。
あと一週間乾かせば大丈夫そうだ。
部品はキャブのフロートが一番高かった。
ニードルだけでもいいかと思ってたんだけどフロートassyでしか取れませんでした。(残念!)
その他にもOリングとか出ないものもあったけど、本田さんが規格を確認して代用できそうなのをいくつかくれました。(感謝)
燃料フィルターはタンクからコックまでのラインに外付けする事にした。
サビゴミが出てくればこっちの方が見やすいし、交換も楽だからね。
さあ、復活計画第二弾を頑張りましょう。
まずはキャブレター。
板ラチェ買って来たんで今度は楽々。
おっと、ホースからガソリンが。
ホースプラグも買ってくるべきだったか。
ドレンからガソリンを抜いてからチャンバーを開け、ジェットの緩みの確認とフロートとガスケットを交換です。
新品の白さが眩しい。
ちょっと奮発してインシュレーターも交換。
意外と変なとこにクラック入ってたりするから念のためです。
マウント側のOリングがポロポロ落ちるのでシリコングリスでくっつけてみた。
溝に爪らしい出っ張りがあるんだけど抑えではないみたいだ。
燃料ホースを交換しようとしたら異常に長い。
取り付け時に調整してぶった切る物なのかな。
カッターで簡単に切れた。
古いのはカチカチだったから他のゴムも気が付いたら交換しよう。
倉庫で埃を被っていた車用のバルブを発掘したのでヘッドライトバルブも交換。
規格は同じH4だから問題なく付いた。
色褪せたシールに4500ケルビンと大きく書いてあったので少しは白くなるだろう。
電球繋がりでテールランプも交換。
一つは生きてたけど買ったバルブも二個一組だったんで二個とも新品にした。
ケースのパッキンが一か所切れてたけどこれは買ってないから今度だな。
ウィンカーは問題なかったのでノータッチ。
後は外装でも磨きますか。
フレーム、ホイール、スイングアーム、クランクケース。
錆はコンパウンドで磨きながら出来るだけ落としてみた。
ライトステーもだいぶ綺麗になってSUZUKIの文字が輝いてます。
フロントフェンダーのエンジン側とかリアフェンダーの未塗装部分が白く褪せてるのでそこには黒艶復活を謳う専用ワックスを塗ってみたらかなり見栄えが良くなった。
ついでにチェーンカバーとハンドル周りのスイッチカバーにもヌリヌリ。
チェーンカバーを外した時に気が付いたんだが調整のアジャスターがちょっと変な奴だった。
エキセントリックアジャスターとかいう奴でリアアクスルを緩めなくてもチェーン調整ができるという代物らしい。
そんなにいい物なら他のバイクにもあるのかもしれないが俺は初めて知った。
普通は後ろに突きだしたボルトで調整すると思っていたんだが。
こいつからも厄介な匂いがしてくるのだが気のせいであって欲しい。
相変わらず変な拘りがあるバイクだこと。
外装が一段落したら安い通販の中華バッテリーを装着。
耐久性度外視の値段一択でした。
今更ながらレギュレーターがパンクしていない事を祈る。
二日間の作業の締めくくりにペットボトルタンクを繋いで始動確認。
チョークを軽く引いてセルボタンを押す。
『キュルキュルボボッボボボボドドドドドドー』
先週より掛かりがスムーズだ。
オイルが廻ったお陰かな。
オイルも点検して少し足しておこう。
ヘッドライトも白く綺麗になったしテールランプも二灯揃って光ってます。
これで金曜までにタンクを組めば俺の作業は完了。
あとはプロに任せましょう。
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