第9話 仁王立ち

ある日の午後、父のスーツを購入する為に某紳士服のお店へとやってきました。


幼児というのは、自由気ままに動き回る生き物です。母が相手をするも物足りないらしく、あっちこっち動き回るのでした。


「母 スーツ決まったからお会計するね」

「はい ところで息子見なかった?」

「母といると思ってたよ 何処行ったんだ?」

「さっきまでそこにいたのに……」


すると少し離れた通路で立ち尽くす息子を発見したのですが、どうにも様子がおかしいのです……

じっと動かず何かが漂っている雰囲気。

よく見ると僅かにプルプルと震えている……

まさか!

異変を察知した父は息子を抱き上げ、母と共に店外へ!自家用車まで戻ると確認作業を行った。


やはり……やっていた。

あれは臭う立ちだったのだ……

急遽車内で大きい物を産み落としていた息子のオムツを交換したのであった。


幼児というのは、急に立ち止まりプルプルする生き物です。大か小かの違いはあれども、仁王立ちをし始めたらご注意を。

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