第2話

祖母は有能な主婦だった。

家はいつもきれいに掃除されているし、仏壇はもちろん、部屋のそこかしこに花がいけてある。庭で育てた花、その辺に咲いている雑草でも祖母の手にかかると洒落た生け花アートになる。花瓶も昔からある高価なもの、空き瓶を和紙や水引で飾ったもの、上手く花と組み合わせて使い分けた。

料理も裁縫も申し分ないレベルで、美味しいものをお腹いっぱい食べて、小綺麗な手作りの洋服を着せてもらって私は育ったのだ。

友達は私のことを羨ましがったりねたんだり、大変なこともあったが、私は祖母のことが自慢だったし、好きだった。両親との時間より、祖母との時間がはるかに長かった。

ただ、残念ながら祖母はどこか不機嫌だった。何かしら、いらいらとしているような気がした。もっと祖母の笑顔を見たかった。

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