第24話 甘い作戦最終ミッション4

「ったく、もう少し用心深くなれっつーの! 俺がこの後のショーにドンだけ手間暇かけたと思ってんだ」


 すっかり寝てしまった正広の前で、工藤は悔しそうに床を蹴る。


「まぁまぁ、思ったよりすんなり行ってめでたしめでたし、ですよ」


 そう言ったのは彼をここに案内した美人、だったのだが、かつらを取れば圭樹だ。


「おや、取らなくても似合ってたのに、ケーキちゃん」


 茶化すような工藤の言い方に、少しばかり圭樹は顔を歪める。


「で、スマホは?」

「抜かりない。俺らとのやり取りは綺麗に削除した。まるで全部夢のように、きれいさっぱりとね」


 そう言いながら工藤は、そのスマホを正広のポケットにねじ込んだ。


「それじゃ、奪われたものは全部取り返しましたし、帰りましょうか?」


 そんな圭樹の言葉にふくれっ面を見せるのは、日本人形の片割れ、苺だ。


「……納得いかない。ぶん殴りたい」

「苺、それ、犯罪だから」

「そうそう、そんなことよりもこれを全部、葉月のおばさまに持って帰ってあげましょう。きっと喜んでくれますわ」

「そっか……、うん、そうしよう!」

「おい、不動、機材全部回収しとけよ、一個でもなかったらしばき倒すからな」

「なんで俺が!」

「お前が一番何もしてない!」

「うっ」


 こうして、一同はこのホテルを後にしたのでした。

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