第3話
俺は仕事で仮想通貨を扱う仕事をしている。
仮想通貨なんて興味ない人には全く触れられる事もないモノだ。
今、俺が勤めている会社ではジーマーという仮想通貨を立ち上げた。
どんな用途かというと・・・
簡単にいえばゲームセンターのメタル(コイン)みたいな仮想通貨だ。
それをスマホゲームだけで使える仮想通貨として広まる様に営業をかけている。
現在のスマホゲームでは課金して頑張っても辞める時には何も残らない。
ゲームを辞める人は沢山のアイテムを残したままゲームを辞めていく。
それを買い取ってジーマー(メタル)を渡す。
そして次の新しいゲームをする時、ジーマーでアイテムを買い揃えて次のゲームを有利に進めるというものだ。
今日はこれからS社に営業をかけに行く為にアポイントメントを入れておいた。
S社はスマホゲームでは大手なので社運をかけた営業になる。
当然ながら失敗は許されない。
通勤の電車の中で俺は様々な質問に対する対応を考えている。
そんな時、会社の最寄り駅まであと20分という所で電車が停まってしまった。
「線路に人が立ち入った為、しばらく停車します。」
無情なアナウンスがながれる。
・・・エッ? 運転再開までどれくらいかかるんだ?
昨日、見積書の下書きを書いて明朝に印刷しようとしていた事を俺は思い出した。
もしも、復旧まで時間がかかるなら・・・
会社に連絡してせめて見積書だけでも印刷してもらおうと連絡を入れた。
「もしもし、青木翔です。今、電車が停まってしまって遅れそうなんです。」
電話に出たのは隣りのデスクの上野美咲だった。
「青木さん?大丈夫ですか?」
「すみません。今日持ってく予定の見積書が下書きのまま俺のデスクの上にあるので、印刷してもらえないでしょうか?」
「分かりました、印刷しておきますね。後はこちらで準備しておきますので、慌てて怪我なんかしないでくださいね。」
「ありがとうございます。後でこの埋め合わせは必ずしますので・・・ もし、間に合わない様ならまた連絡します。」
とりあえず話しが分かる人に連絡とれて良かった。
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