第2話

今朝は息が白くなる程涼しい。

いや、寒い。


駅まで競歩みたいなはや足で行く事にした。

途中で犬に吠えられても、かわいい猫に絡まれても今日は寄り道しないでまっすぐ駅に向かおう。


「おはようございます。」

途中で小学生に挨拶された。


「おはようございます。」

普通に返したが、小学生にはどんな大人に見えているんだろうか?

紗名に言われた「中二病のオッサン、キモ!」って言葉が思い出される。


寄り道しなかった分、今日はいつもより5分はやく駅に着いた。

駅中のコンビニからコーヒーの香りが流れてきた。

いつもより5分早いし・・・ 悩んだ末に立ち寄ってしまった。

レジ前で並んでいると、すぐ後ろに宝塚の男役みたいなお姉さんが並んだ。

キレイな人だったので、チラッと見たら・・・

髪に枯れ葉のカケラが付いていた。

どうやって声をかけようか?

ナンパに見られ無い様にするには?

"よし声をかけるぞ!"と振り返ったら・・・

奥の方に離れて行ってしまった。

タイミングを失った俺はコーヒーを一気飲みしてその場を離れる。

いつもいつもタイミング悪い男だ。


俺は気分を切り替えて駅のホームに立った。

いつもの時間いつもの駅、電車はいつも通りにやってくる。


俺はいつもの様に先頭の車輌に乗り込んだ。

通勤通学の時間にはまだ早めなので割と空いている。

俺はスマホでネットニュースを眺めながら一時間チョトの列車の旅を楽しもうと思った。

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