第3話

「何か出来る事ある?」


「いいよ.

これで,顔冷やして.

テレビ見ててい~よ.」

冷凍庫からアイスノンを手渡す.


「分かった.

ありがと.」


「リモコン.

テーブルの上にないかな.

あっ主電源切ってるから,

つけて.」


「…うん.」


何か,料理に集中してたら,

テレビ付けて無かったみたい.

はたと見ると,目が合った.

ちっこいアイスノンを,

顔にぴとって付けてて可愛い.


「ごめん遅くなったね.

食べよっか.

テレビ付けてて良かったのに.」


「うん.

そっち見てる方が楽しかったから.」


「そう.」

お料理好きなのね.

何作るか心配だったのかしら…

何でも食べられるって言ってたよね…?


「お母さんの食器しかないけど,

洗ってるからいい?

それとも,紙のがいい?

災害用に買ってるのがある.」


「う~ん…

お母さんが良ければ,それで.」


「お母さんは気にしないと思うから,

じゃあ,よそうね.」


「手伝う?」


「いい.

座ってて~.」


あぁ,

誰かとご飯食べるの久しぶり.

ローテーブルに並べて,

お茶入れて無い事に気が付いた.


「あ~先食べてて.」


お茶を持っていくと,

律儀に待ってくれてた.


「食べてて良かったのに.」


「ん…」


「じゃあ食べましょ~.

いただきます~.」

「いただきます.」


あっという間に,

ご飯食べ終わってた…

お腹空いてたんだね~.

「お代わりする?」

「食べたいっ.」


「はいよ~.

山盛りする?

普通盛り?

小盛り?」


「山盛りで.」

「了解っ.」


持ってきたご飯は

あっという間に食べ終わってた.

「まだ食べられそう?」


「いや,御馳走さまです.

んまかった.」

笑った顔が可愛かった.


「良かったです.」

気にして食べるの遅かったので,

私も食べてしまおう.


テレビ付けとこうかな.

あっ

名前,聞いておこ.

「ごめん,今頃なんだけど,

私,日向うみ.

あなたは?お名前.」


「うん.

私は,つき.」


「そっかぁ.

つきちゃん,よろしくね~.」


「うみさん,

拾ってくれて有難う.」


「うん…

でも,ずっと置いとけないよ?」


「…分かってます…」


「明日,私早いのよ.

6時には,ここ出るから.

ん~…どうしようかな.」

この子,信じるには情報が少ないし.

ハンコと通帳だけ持って出るか.

あとは,別に無くなっても諦められる.


「鍵,私持っていくから.

出たい時に出て,いいよ.」


「うみさん困らない?

行くとこ無いから帰るまでいる.」


「分かった.

でも,本当に気にしなくていいよ.」


「うん…」


「お布団も,例にもよって例の

お母さんのだけど…

帰った時に,干してるし,

シーツも洗ってる.

それで良かったら.」


「うみさんのがいい.」


「えっ?」


「いや…

お母さん嫌がらない?」


「大丈夫でしょ.」


「んじゃ,お願いします.」









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