06話. 想いに応えるために
「うぉぉぉぉぉ!!」
俺はまたもや剣を思いっきり振ったが、ヴァルディフォードはまた簡単に避けた。しかも、それは一回だけでは無かった。何度も何度もヴァルディフォードは避けた。結局俺は二十回ほど
「だから、言ったでしょ??君は僕に勝てない。弱すぎる」
「ク、クッソ。舐めやがって」
ヴァルディフォードは俺を煽ったあと、火属性の中で最弱の魔法を連発してきた。
「
全く舐められたもんだ。
俺は簡単にヴァルディフォードが放つ
なんだ、楽勝ではないか。
しかし俺が何回か避け続けると、ヴァルディフォードは連射速度を上げてきた。流石に連射速度が上がると、俺でも全部避けることは厳しかった。だから、俺は
もしこの世界の魔法があの世界とほぼ同じ仕組みなら、いけるはずだ。
ヴァルディフォードが次の
やはり、予想通りだったか。
これが「
どうやら、ヴァルディフォードはまだこの剣が
「クゥ。それは、
「
今度はヴァルディフォードは
「何だと??なら、これは??」
「
今度はヴァルディフォードは土属性と水属性の二種類の魔法を連発してきた。しかも、魔法の強さを一段階上げて来た。それでも俺は怯むことなく、上手く斬り消すことができた。
「な、なに???まさか、君、その剣は
やっとヴァルディフォードはこの剣の正体を知ったらしい。そして、ヴァルディフォードは少し苛立っていた。
「そうだ。これは
「そうか。あの子娘が、か。まあ、良くやったな。それだけは褒めてやろう。だがしかし、その剣を使っても僕には勝てない」
「いや、勝てる。絶対勝てる!
「まあ、確かにそうだ。しかし、一つだけ絶対に斬れないものがある。では、見せてやろう!」
「
「な、なんだ、この魔法は!?見たことがない」
「まあ、そうだろうな。闇属性の魔法を見るのは初めてだろうな。僕が闇属性の魔法を見せたのは君で六人目だ」
「や、闇属性??昨日ソフィアが言ってたやつか。闇属性か何だか知らないけど、それも斬り消してやる!」
俺に向かって飛んでくる何本もの黒い腕を俺は
「クゥ!マジか...」
俺は一旦膝を地面に付けた。俺の右肩からは血が大量に流れている。これは、ピンチだ。今右腕を失った俺は、もう左手でしか
「カズマさんに加勢しろ!まず、数名でカズマさんの右肩から流れてる血を治癒魔法で止血しろ!残りのやつはカズマさんに治癒魔法をかけ終えるまで、時間を稼いでろ!」
「はい!」
なんか、俺の背後が騒がしかった。俺が後ろを振り向くと、他のみんなが意識を取り戻していた。そして数名が俺の元に来て、俺の右肩に治癒魔法をかけてくれている。
「すまない。ありがとう」
「いえいえ、これくらいは」
そして俺の前方では、残りの人たちがヴァルディフォードと必死に戦っていた。
「ヴァルディフォード!カズマさんが復活するまでは、私たちが相手です!」
「そうか。少しは楽しましてくれよ。お嬢ちゃん。」
「では、行きます!」
「
「
みんなもソフィアのために戦ってくれてる。それは、何よりも俺は嬉しかった。
しかし、ヴァルディフォードは彼女たちの魔法も簡単に消してしまった。
「殺すには、少し惜しいな。なら...」
「
ヴァルディフォードはまたもや闇属性の魔法を放った。その魔法は彼女たちを一つの黒色の檻に閉じ込めてしまった。
「み、みんな!!」
俺が彼女たちの名前を叫ぶと同時に、俺の右肩への治癒魔法は終わった。
「ありがとう。これでまた戦える」
俺は彼女たちにお礼を言って、急いで左手で地面に落ちている
だが、今はもう片腕しか残っていない。なら、あの攻撃技を使ってみるか。それは魔法も同時に放てる剣技。魔法が使えない俺でも使用することができる剣技。もし、俺の中に魔力が宿っているのであればの話だが。
俺が出そうとしている剣技は「
だが、今まで魔法を簡単に使い越してきた俺はこの世界では魔法が一つも使えないので、自分に魔力があるかが分からない。だから、俺は一か八かで
魔力が有れば戦える。無ければ、死ぬ。
俺は一か八かで
「おい!今からお前を斬る!そこから動くな!」
「良いだろう。受けてやるよ」
ヴァルディフォードは俺の提案に乗ったか、彼女たちから目を離し、俺の方を向いた。魔法で一本の魔剣を作った。
「これは、闇属性の魔法で作った
俺は
「
やはりヴァルディフォードは俺の剣技を彼の
「うぉぉぉぉぉ!!」
すると、俺の
しかし、ヴァルディフォードは自分の体に
俺がそれに気付いた時にはもう遅かった。
「君、今の剣技凄かったね!?それだけは褒めてやる。でも、もう君はもうここで死ぬ。さらばだ」
次の瞬間、ヴァルディフォードはもう一本の
「グハッッ!」
俺は口から大量の血を吐き出した。そして俺は意識を失いかけ、
ここまでか。ごめんな、ソフィア。約束守れなかった。今俺もそっちに行くから。
俺が自分のことを哀れに思ってると、俺の耳元にソフィアの声が聞こえてきたような気がした。
「そんなこと無いよ。カズマくんは私のために最後まで戦ってくれた。ありがとう」
俺はこのような言葉を最期に聞けて嬉しかった。そして、俺は完全に意識を失ってしまった。
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