第3話 リーダー

 「自分の名前は、ユウイチと言います。もし、俺の能力で力になれるなら。協力したいです」


 何処か、値踏みするように俺を見る魔法少女?

 俺に近付き、小声で。


 「私は、サミ・リキャンティ。姉は、マミア・リキャンティ。もし、協力してくれるなら。1つ助言しますが。国王達を、この国を、信用しないように!」


 「それは、どう言う意味ですか?」


 答えを聞こうとしたが、皆別室に移動を始めたので。

 聞けずに、移動する。

 さっきの言葉は、俺達を何かに利用する。

 もしくは、都合の良いようにしか思っていないと。

 言う事なのだろうか?

 わからないが、信用しないようにしよう。


 さっきのサミさん?

 も、信用出来るか分からないが。

 まずは、皆の話を聞き。

 情報を、集めないと。


 意外と、広い部屋に。

 何十人、いるだろうか?

 召喚された人達が、集められた。


 多分、逃げ延びたのは。

 居ても、十人位なんじゃないだろうか?

 勝手な憶測だが、対応が早かったし。

 スキルをすぐに、使いこなせるとは思えないし。

 外が、どうなっているかも分からない。

 取り敢えず、四方に兵がいる為。

 皆、小声で話しているが。

 これでは、情報を得られず困っていると。


 「おい!さっき、この場を要求したやつはどいつだ!」


 今にも、殴り掛かりそうな形相で。

 息巻いている男性。

 場が、静まり返る中。


 「私が、進言しました」


 「テメェか!何考えてやがるんだ!」


 ユウトが、叫ぶ男の前に移動し。

 言い合いを、している時に。

 俺は、解除のスキルを試していた。


 出来るだけ早く、自分のスキルを把握しないと。

 この城や、この国から追い出されるか。

 殺される可能性が高いと、思い。

 地面に、手を当て。

 解除と言って見るが、何も起こらない。


 先程の争いの時に、しらばっくれて。

 地面に、転がっていた。

 短剣と、野球ボール位の玉を。

 隠し持っていたので、それにも解除を試してみるが。

 何も、起こらない。

 いったい何の、解除なのだろうか?


  思い悩んでいると、誰かに肩を叩かれる。


 「チワ!俺は達也!宜しく!」


 随分元気な、男の子だが。

 なんのようだろう?


 「どうも、ユウイチです」


 「俺さ〜、聖騎士だったんだよね!強そうじゃ無い?良いだろう君は?」


 「強そうですね!自分は、解除と言う良く分からないスキルでしたよ」


 「?それは、魔法使い?賢者とか?それともレア的な感じ?」


 「わかりません。何分、この世界の常識がわかりませんので」


 「そっか、なら聞いてみよう!」


 おいおい、軽いな!

 隅っこにいた、兵士の元に。

 止める暇もなく、行ってしまう。


 俺はそれを、追いかけると。

 後ろから、騒ぎ声が聞こえる。

 まだ、言い争っていて。

 止めに入る人もいるが、ほぼ見守っている人ばかりだ。


 兵士の所についた俺達は、この世界に付いて聞いた。


 1 今、魔王が現れて村人達が不安になっている。


 2 特殊能力所持者は、神の使徒や、悪魔の使徒と呼ばれている。


 3 この世界の命は軽く、身売りして奴隷になったり。口減らしの為、捨てられたり。簡単に、人を殺したりするらしい。


 4 冒険者組合があり。魔物討伐や、薬草採取。あと、お手伝い何かの仕事があるらしい。


 5 魔法を、使える人は結構いる。だが、同じスキルでも。威力が、それぞれ違うらしい。


 6 努力すれば、スキルが得られる訳ではなく。

 15歳で、神殿に行き。

 特殊能力や、スキルを授かると。

 それ以降は、殆ど増えないらしい。


 ただ、召喚された人達は努力しだいで、強くなれると文献が残っているんだとか。


 7 この世界は、7つの国に分かれていて。今回の、召喚された人達はバラバラになるそうだ。



 色々聞けた!

 貴重な情報を、得られたのは。

 何故か、フレンドリーな達也のお陰だ。


 そして、俺のスキルは。

 平凡だと言う事が分かった、わかってしまった。

 召喚された中で、俺のようなスキル保持者は何人いるだろうか?


 これだけの人数がいるんだから、似たような人がいて欲しいけど。


 「話は、纏まりました。まずは、戦いたくない人達は。あそこにいる、ユウイチさんの所に集まって下さい」


 ユウトの、大きな声が響く。

 確かに、周りと離れている俺は目立つけど。

 俺が、戦いたくない人みたいに言わないで欲しい。

 間違ってないけど。


 すると、1人、また1人と俺の元へ。

 基本、女性が多いが。

 男性もいる。

 30人位集まった。

 意外にも、ユウト側に。

 70人位残り、戦う気があるようだ。


 何故か、戦いたくない人達代表みたいになって。

 皆が、俺を見る。


 「始めまして、俺はユウイチ。特殊能力は、解除と言う意味不明で。戦う事は、難しいと考えています。なので、この世界で戦わずに済むようにしたいです」


 「私は、暗黒騎士って言われましたが。女です!剣を、振るって生きて行くなんて無理です」


 「俺は、鍛冶師だ。戦闘なんて、無理に決まってるだろ」


 「俺もだ、薬剤師?ふざけるな!こんなんで、戦えるか!」


 皆が、不満をぶちまけ始めた。

 不幸自慢?みたいになり、話しが進まないので。


 「すみません。まず、情報を得る事が大事だと思いますが、皆さんはどうですか?」


 俺の声に、皆が頷く。


 「先程、兵士の方からこの世界の事を聞きましたので。情報を、共有したいと思います。皆さんも、何か知っていたら教えて下さい!」


 俺の話をまずして、その後皆からも話を聞く。

 俺の話の重要さを、理解したらしく。

 リーダーになって欲しいと、言われ。

 断れなかった。


 貧乏クジ引かされたのは、皆ユウトが悪い!

 と、人のせいにしながら。

 今後の事を、話し合う。


 俺と同じく、召喚した人達は信用出来ないし。

 この城から出た方が、安全だと思うのだが。

 この世界の、お金も無いし。

 知識も無い。

 助けてくれる人も、信用できる人もいない。


 まずは、自分の能力やスキルを把握して。

 努力したら得られるかもしれない、スキル取得に挑戦する事にした。


 要するに、暫く戦わないけど。

 ここにいられるように、交渉しなければいけないということだ。


 そして、何故かそれを。

 俺がする事に!!!

 胃が痛い!

 逃げ出したいけど、無理だし。

 作戦を寝る為、皆と話し合う事に。



 リキャンティさんの事は、話していない。

 俺の生命線だと、思っているからだ。



 この世界の人達も、信用でき無いが。

 召喚された人達も、信用でき無いと思っているからでもある。

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