ホテルに宿泊す。
第九話
人生初の同人即売会の後の夜。
即売会で知り合った美人なスーパーウーマンの夜月まひるさんから連絡が来た。
そこでのやりとりで、私が男であることを告げたら夜月さんがバグった。
『お、男って、なに質の悪い冗談言ってるんですか如月さん!同性愛者だって隠す必要はないんですよー!私もレズですし』
『如月さん、私如月さんと仲良くなりたいんです』
『ね?嘘もおためごかしもなしにしましょうよー!』
「いやいや、何言ってんのこの人。っていうかレズビアンだったんだ夜月さん……」
『冗談じゃないですよ。わたしは男ですよ。そう見えないのはわかりますが』
『いきなりアプローチしたのは謝ります。でも、それにしたって男って嘘はないです。私ってそんなに嫌われてますか?』
「うーん、めんどくさいなぁ。本当に男なんだけど、完全に誤解されちゃってるよ」
『どうしたら男だって信じてくれます?』
『えー。まだつづけるんですかその話。如月さんが男なんて、実際に生えているところを拝まない限り信じられませんって!』
「ん。もしかして、これはいろいろとチャンスなのでは?」
………!
「最速で彼女ができるかも!」
『では、こんどの土曜日にホテルでお会いしませんか?そこでなら確かめてもらえるとおもいます』
『えっ、ほ、ホテルですか。……。イヤーなんだ如月さんなんだかんだってその気じゃないですかー。それなら、私が帝国ホテルのスイートを予約しておきますので、あとはまかせてくださいねー。』
「え、こんなあっさりつれた!?ど、どうしようこれ……」
土曜日。
「如月さん、お迎えに上がりました」
そういって、ドイツ製の高級外車から降りてきたのは、上品な服にきれいにセットされたヘアスタイルでばっちりめかしこんで夜月さん。
「ありがとうございます。わざわざ迎えに来ていただいて」
私の自宅のタワマン前に路上駐車した夜月さんは、タワマンをぐっと見上げて驚いたような顔をしている。
「如月さん、とってもいいマンション住んでますね。もしかしてー、すっごいお嬢様だったりしましたか?」
「別に普通の中流家庭ですよ。私、これでも結構稼いでいるんですよ?このマンションも現金一括払いで買ったんです!」
さりげなく稼げる男アピールをしておく。
「へぇー、如月さんってお金持ちなんですねー。(このマンションなら最低でも2億円はくだらかったはず……)」
「そうなんですっ。じゃあ、ホテルに行きましょうか?」
「はいこちらへどうぞ?、私のお姫様♡」
そう言ってわたしを自分の車の助手席にエスコートする夜月さん。
「しっかり、シートベルトを締めてくださいね。(うっひょー、パイスラだわ)」
「はーい、ふふ(やっぱり、おっぱい見てくるなぁこの人)」
その後、ホテルに着いて部屋にチェックインした。
「うーん、ひろーい。すごいなー、これが帝国ホテルのスイートルームなんだー!」
帝国ホテルのスイートルームはすごかった。掃除の行き届いた広い室内には、豪奢な家具が配置されてさながらヨーロッパの貴族が住んでいそうな装い。
「如月さんによろこんでもらって、張り切ってアッパースイートをとってよかったです。一泊20万もするんでよ?」
「へぇー。お高いんですね!ありがとうございます、とってもうれしいですぅ(まあ、それくらいならわたしには余裕だけどね!」
「「…………」」
沈黙が流れる。
「んっ……」
気づけば、夜月さんがわたしに体を寄せてきて柔らかな口づけをして来た。
「嫌がらないんですね。如月さん。んっ……、ちゅっ、ん……」
生まれてはじめての女性とのキス。
キスをしながら、揉まれる私のJかっぷおっぱいとおしり。
バタンッ。
そのままキングサイズのベッドに押し倒され、服を脱がされていく。
ブラウスが脱がされて、ブラジャーを脱がされ、スカートを脱がされ、そしてぱんつを――。
ポロンっ。(パオーン)
「くぁwせdrfrftgtgyg!」
「あー。どうです、確認できましたか?」
「え、え、え、えぇぇえぇっぇえぇぇっ!!!」
「ここまできたら、責任追ってくださいね(にこっ)」
がおー。
「き、きゃああああああああああああ」
翌朝。
チュンチュン。
室内にあったパックを使ってコーヒーを淹れる。
ずずっ、と一口味わい、コーヒーの香りで肺を満たす。
さすが、超高級ホテルだけあって、コーヒーパックも高級なものを使ってるようだ。
「どうですか、まひるちゃんもコーヒー飲みます?」
わたしの目の前でキングサイズのベッドに裸で横たわる彼女は、寝ぼけ眼で大あくびしながらら答えた。
「おねがいします、さくらちゃん」
ズズッ。
「「ふっぅ」」
恋人同士・・・・仲良く二人して、コーヒーを飲んで人心地つく。
「…………」
「まさか、さくらちゃんが本当に男の子だったなんて、夢にも思わなかったですよ」
「ごめんなさい。まひるちゃんにはだまし討みたいなマネをしてしまって」
「いいんですよ。もし、だまし討したのは私も同じですし」
「それに……、こうしてだいすきなさくらちゃんと恋人同士にもなれんたんです。万々歳ですよ」
まひるちゃんがいってくれたその一言のおかげで、わたしの中にあった罪悪感がふぅっと消えていった。
そして、その言葉を自然と紡いでいた。
「まひるちゃん、……。わたしと、結婚してください……!」
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