オタクデビューす。
第六話
・・・・・・・。
「ふぅ」
シナリオの録音が完了した。
『死んだお母さんがJK(巨乳)に転生して駄々甘やかしで歯磨きしてくれるCD』がこれで完成した。
改めて考えると、とんでもなく恥ずかしい役を演じてしまった。
「やばっ。これ売っちゃうの?マジで?」
しかし、ここで同人即売会に行って出品しないと、ドの付くオタクになれない。ひいてはオタ彼女もできない。
オタ彼女を作るには、これからも定期的に作品を作成して販売することで、オタク深度を深めていくしかないんだ!
「よしっ!早速同人即売会に申し込むぞ!」
さっそく同人即売会をインターネットで検索っと。
「え、めぼしい即売会はみんな申し込み期限が過ぎてる」
ど、どうしよう。
せっかく同人CDを作ったのに販売できなかったら彼女ができない!
「うーん。次の一番近い即売会は3か月後か」
とりあえず申し込んでおこう。
「なるべく大きなイベントでデビューしたから、この即売会でちょうどいいのかもしれない」
んー。
「年に二回の、コミマは絶対出たいよなぁ」
でも、コミマは出展応募しても抽選で倍率1.5倍以上だからなぁ。
「コミマは半年後か。これも今から応募しておくかなぁ」
「ん、これ色々準備が必要みたいだ」
とりあえず、メモメモ。
これからはドのつくオタクとして、同人CDをたくさん作って即売会で販売してオタク深度を深めていくんだ。こういう作業には慣れておかないと。
・・・・・・。
「んー」
ていうか、同人CDが完成したテンションで即売会に応募してしまったけれど、マスターデータが完成しただけでCDの量産もパッケージデザインもなにもしてない。
「もしかして、はやまった……?」
というか、よくよく調べたら、最低SNSのアカウントやウェブサイトを開設して自分の作品を宣伝したりするひつようがあるのでは。
「さ、3か月でできるかな……」
SNSのアカウントなら今すぐにでも作れるけど、何も考えずに無策でつくるのはよくないよね?
「というか、本名でアカウントつくるの……?ハンドルネーム?芸名?を考えた方がいいのかなぁ」
まぁ、本名でいいかな。私の本名なんか芸名っぽいてよく言われるし。
よし。
本名でいこう。
「アカウント作成。如月さくら@彼女ほしい、っと」
アイコンはどうしようかなぁ。
まぁ、本名だし彼女つくるためだし、自撮りでいっか。
パシャ。
「アップロードっと」
次は、プロフィールか。
「如月さくら。同人でびゅーします。かわいい彼女が欲しいです。っと」
ま、彼女ほしいアピールは必要不可欠でしょ!
「これで、完了だ!」
こうして、わたしはオタクデビューしたのだった。
「よし、やってみせるぞ!」
おー!
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