シナリオ完成す。

第五話


 テーマが「歯磨き」に決まってから、わたしはさっそく、同人ラブラブ歯磨きCDのシナリオライティングに取り掛かった。

 「今までにない新鮮な歯磨き」という事で、小さな子供がお母さんにしてもらう様に、いい年した大人が美少女に歯磨きをしてもらう、そんな内容のシナリオを書こうと試みた。


「う~ん。やっぱり、導入部をいかに自然な形にするかでなやむなぁ」


 ラブラブ歯磨きが不自然にならないようにするには…………。


「・・・・・・!」


 そうだ。


「美少女キャラクターを設計する必要があるぞ!」


 シナリオライティングするにはまず、美少女キャラクターの設計が必要なのか…………!


「う~ん。CDを聞く人間にとって、歯磨きをしてもらうのに自然な関係かつラブラブシナリオが書きやすいとなると……」


 やっぱり。


「姉か」


 でも。


「えぇ~。わたしに姉属性なんてないんだぞ」


 うぅ~ん。


 しかし、姉以外でとなると母くらいしか思い浮かばない。美少女お母さんから、らぶらぶ歯磨きプレイってどんだけマニアックなんだよ。


 母か姉か。


 ・・・・・・。


「よし!ここは母できまりだ!どんな変態マニアックなシナリオになるか分からないけど、ここはわたしのシナリオの書きやすさを優先するぞ!」


 そうと決まれば、同人CDのタイトルも決まった。


 その名も『死んだお母さんがJK(巨乳)に転生して駄々甘やかしで歯磨きしてくれるCD』だ!


 うわゎわあ!なんて捗るネーミングなんだ!


「これならシナリオがいくらでも書けそうだよ!」


さっそくシナリオを執筆していく。


 生きているころも美人だった母親が、生まれ変わって巨乳美少女になってリスナーを甘やかしてくれるんだ。たまらない!


「も~お。息子君はおかぁさんに甘えてればいいの!」


 とか言っちゃったりして!


「奥歯もちゃぁ~んと磨くからね♥」


 とかも。


 ・・・・・・・・・。


 5時間後。


「で、できたぁ!」


 これでシナリオは完成だ。


 よし!


「つぎは録音だぁ、いくぞぉ!」 

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