第26話

友達


二時間目の終わりを告げる鐘が鳴ったので、私は保健室から出た。そして教室に向かっていると、後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえてきたので、後ろを振り返ると舞さんがいた。


「もう大丈夫なんですか?」


「はい、もう大丈夫です…先は保健室まで連れてってくれてありがとうございました。」

私は緊張していた、同性としゃべるといつも緊張してしまう……それは、中学時代に同性からいじめられていたことがトラウマになっているからだと思う。


「それならよかったです!」

舞さんは安心して微笑んでくれた。私はそれを見て少しホッとした。


「また具合わるくなったら、いつでも言って下さい。クラス違うけど、私、保健委員なので」

「それじゃあ、私は行きますね」

舞さんは微笑んで手を振り教室に向かおうとしていた。


そんな舞さんをみて私は無意識に腕を掴んでいた。


「あ、あのLights交換しませんか?お礼したので……」


舞さんは身体をビクッとさせた。


「あ、え?…あ、いいですよ…」

私が、言った事がちゃんと理解できていない様子だったが、私はこの機会を逃したら、もう連絡先を交換する機会は訪れないと思って私はスマホを取り出した。


早速、学校から家に帰ってくると自室のベットに寝っ転がりながら、舞さんにLightsしてみた。そうするとすぐに返信が来て、私はとっても嬉しくなって、足をばたつかせた。


私は昔からLightsするよう友達がいなくかったので、こうやってLightsすることが少し憧れみたいなところがあった。


外が真っ暗になるまでLightsをしていた。そして、私は週末に舞の彼氏にあげるプレゼントを一緒に選ぶことになった。これがお礼の代わりだそうだ。


舞と遊ぶことを考えながら、風呂に入っていた。同性の友達と出かけることは私にとって初めての出来事だし、友達とタピオカのストーリーを一緒に撮るのもあこがれだった。それが叶うかもしれないと思うと胸がワクワクした。


今度は風呂から出て髪を乾かしながらワクワクしていた。私は今まで私はタピオカに投稿されている、同い年の楽しそうな女子高生たちを眺めては羨ましいと思っていたが、その羨ましいと思っていたことができると思うと、どんどん舞とやりたいことや行きたいところが沢山浮かんできた。


布団の中に入る頃になってもまだ、ワクワクしていた。


でも、よくよく考えたら彼氏がいるんだから、ずっと舞と遊んでいるのは難しいかもしれないと思い始めて少し冷静になれた。そして、少し気持ちが落ち着いたことで、段々と眠くなり、意識が無くなっていた。


















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