第27話

普通の女子高生



私は朝から気分が頗る良かった。

それは、舞からLightsが来ていたからだ。


「奏音おはよう!今日なんだけど、お昼一緒に食べない?」


私はそのLightsを見てウキウキしながら支度をした。


家から出ると、少し肌寒く秋の訪れを感る。


舞は私を見つけるとニコッとしながらお弁当を持参してやってきてくれた。

私はそれがとてもうれしかった、普通の女子高生をしている感じがして楽しかった。やっと私も普通の女子高生生活を送れていると実感した。


「週末どこに行く?」

舞がワクワクしている様子でこちらに話しかけてくれた。私はふと、正真と恋人同士になる前に行った、浜横のことを思い出して、舞に提案した。


「浜横とかどうかな?あそこなら彼氏さんが喜ぶ物があると思うよ!特に桜田ファミリアの中は雑貨屋さんとか凄くいっぱいあったし」

私は舞に提案しながら少し寂しい気持ちになった。最近は正真とはまともなデートをしていないからだ。


「いいね!私、高校でできた友達と浜横に行ってみたかったんだよね!テレビとかでよく見るし」

舞はワクワクした表情をして、首肯しゅこうしていた。


「じゃあ、いこ!私も舞と行きたい!」

私は子供みたいにはしゃいで、飛んで喜んでしまいそうだったが、そんなことをしたら驚かれると悟ったので、はしゃくのは声だけにした。


「そいえばさ、彼氏さんってどういう人なの?」

私はニヤニヤしながら聞いてみた。これも私がやってみたかったことだ。


「うんとね、不器用だけど、私のことを凄く大切に思ってくれて、いざという時守ってくれる人かな?あ、あと物凄く優しい…」

舞は軽く肩をすくめて顔を淡い桃色に染めていた。


「なにそれ!めっちゃいい彼氏さんだね!いいな!」

私から振った話だったが、こっちまでキュンとしてしまいそうだった。


七尾の携帯が鳴った。

七尾は舞に一言誤って、教室から出て電話に出ると正真からだった。


「もしもし、奏音?Lights返信できなくてごめんな…奏音から聞いた話と俺が知っている佐々木が全然違いすぎて混乱しててなんて返せばわからくてさ」


「そうだったんだ、私も正真から聞いた話と全然違ったからびっくりしちゃった」

久しぶりに正真と話すことがとっても嬉しくて、勝手に顔がほころんだ。


「あ、そういえば、今週の週末に遊ぶことになったよ、佐々木舞さんと」


「それは、良かった!楽しんできてね!」

正真は少し不気味に笑っていた気がした…


教室に戻ると丁度、チャイムが鳴った。


まだまだ話したことはあったが、舞は教室に戻って行ってしまった。













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