第24話

友達作り



舞さんと仲良くなると決めたのはいいけど、どうやって仲良くなったらいいんだろう。もう入学してから半年以上経つのに未だに友達がいない私には結構、難易度高い気がするんだけど気のせいかな?正真はどうやって舞さんと仲良くなったんだろう。


そう思い、またLightsを開くが正真からは返信がこない…既読スルーされるのはいつものことだから最近では落ち込まないようになってきたが、それでもやはり胸が少し痛む。


やっぱり、自分でなんとかしないといけないよね…


友達ってどうやって作るんだろうと思い、手に持っているスマホで検索してみると、部活やサークルに入部して友達を作るなどの参考にならないようなものばかりだった。


昼休みを終えるチャイムが鳴った。


やっぱり、無難に挨拶するとかかな?でも突然知らない人に挨拶されたら、変なやつとか思われないかな、しかも、挨拶したらそれだけで終わっちゃうよね…


教室に世界史の先生が入ってきた。


入学してから一度も授業をしっかりと聞いたことがないので、先生の名前さえもわからない、とりあえず、世界史らしい話しをしているので、世界史の先生だということはわかる、だから世界史の教科書だけだして、また考え続けていた。


次は自己紹介するとかかな……でも、これもいきなり自己紹介し始めたら、おかしな人になるよね……

そもそも、自己紹介ってなにいえばいんだろう?名前、趣味、特技、好きな食べ物とか?


今日は教科書78ページの日露戦争についてやります。


禿散らかした、中年男性がぼそぼそいうと、生徒達は教科書を開き始めていた。もちろん七尾はそんなこと聞いていないので、教科書さえも開かない。


名前は、七尾奏音

趣味は、タピオカでタピってるものを見ること?

特技は、嫌われること?

好きな食べ物は、肉

みたいでいいかな?ってか特技が嫌われることって私、悲しすぎない?そもそも、入学した時に自己紹介した気がするななんて言ったかな?


確か、特技ダンスって言った気がするな…もうやってないけど、でも、六歳の時からやり始めて十三歳までやってたから十分、特技って言ってもいいレベルだよね。


一人で小刻みに頷いていた。


窓から七尾の席に日が差し込んだ。暖かくて、気持ちが良かったので、そのまま机に突っ伏して目を閉じて、また考え出した。


そういえば、体育の先生が呼んでるよって噓ついてたな、悪いことしたな。


胸が罪悪感で微かにズキズキとした。


友達になってもらう前に謝らないとな…

なんて謝ろうかな、舞さんと喋るきっかけが欲しくて噓つきました。ごめんなさい、とか?いやいや、それは、なんか言い訳してるみたいじゃない?もう、ここは、普通に昨日はごめんなさいって言えばいいか…


日向の気持ち良さのせいでどんどんと意識が遠くなって行き、眠りについてしまった…






















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る