141 外界西街(アウターウエスト・シティ)外伝 ~ホラーハウス その5~
BH1ライクな洋館に侵入したアンたち一行。事前に情報を集める準備をせずに侵入するというのは愚行でしかないのだが…それはさておき。奥へ奥へと進み…一行は裏庭へと辿り着く。
そして…ザックは胸を露出した孤児少女に痛烈な反撃を喰らい…意識を失ってHPが半減する状態異常へと追い込まれたのであった!(スキル「女性の敵への一撃」が発動!w)
━━━━━━━━━━━━━━━
- 少女NPCは逃げる… -
「きゃああああっ!?…このドスケベ!!!」
その辺に転がっていた小石をむんずと掴むと、少女はザックに向かって見事なオーバースローフォームで投げ付け…
ぱっかぁ~んっ!
と、クリティカルヒットをかますのだった…
〈ザックは少女の恥辱の一撃を喰らった!〉
〈ザックは昏倒の状態異常に陥り、HPの半分を失った!〉
顔面にモロに小石の一撃を喰らったザックは、そのままぶっ倒れる。
「危ない!」
とアンが叫ぶが早いか、リンがその膝枕でザックの後頭部を救う!
「…危なかった」
「あ、うん。本当に危なかったよ…」
ぺちっとたった今行使されたスキルの鑑定結果がパーティチャットログにコピペされる。
【「女性の敵への一撃」鑑定結果】
---------------
◎名前:女性の敵への一撃
※NPC少女のユニークスキル
◎効果:対象の男性へスキルを行使しつつ投擲武器、直接攻撃を問わず発動
効果1:昏倒の状態異常に陥れる
効果2:残りHPから逆算して半分を強制的に失う(残HP1の場合は変化なし)
効果3:昏倒して倒れて後頭部を打った場合、残りHPが全損する(=死亡)
※死亡した場合はセーブポイントに強制送還され、クエストが失敗に終わる
---------------
「うわぁ~…」とミーシャ。ソロだったら確殺スキルよねぇ?…と呟いている。
「…
「取り敢えず、このイベントクエストの目標がわからないことには…」アン。真っ当な意見だw
「…」とザック。返事が無い。唯の失神者のようだ…って当然か。
駄菓子菓子…当の本人はとうに疾走して失踪している。いや、根城にしている洋館で失踪もクソもないのだが…
「…探知」
ボソっと呟くアン。だが、魔法は十分に働かず…魔力波はすぐ傍で乱反射してるようで、数m程度の範囲外は真っ白に染まっていた。
「全然ダメね」
「うん…」
全く使えない訳ではないが、丁度この裏庭の外は探知の範囲外と…
「あ」
「ひょっとして…」
すぐさまリンが去り…
「ぐっ!?」
と呻いたかと思うと
どさっ!
…と落ちて来た。無論、無様に背中から落ちることはなく、くるっと回って着地したのだが…
「まるで猫ね」
「キャット忍法?」
「誰が大左衛門の師匠よっ!?」
と突っ込みを入れるリン。…多分そのネタ、この中の誰も気付かないと思う…せめてニャンコ先生と…いや、別の存在を思い浮かべるだけか(苦笑)
・
・
「ん~…やっぱり障壁に囲われてる?」
「そうね…」
思ったより狭い範囲で通過できない見えない壁で囲われていると。解放空間のように見えて、基本的にダンジョンのような区切りなのだろう。つまり…
「決まった出入口を通過しないと行き来できないってことね?」
ミーシャはそう認識したようだ。頷くリン。アンはザックを見て…
「それより兄ちゃんどうする?…まさかアイテムボックスに入れて行く訳にもいかないし…」
「そういや…そうね」
「…役立たず?」
「「いや、それはいい過ぎじゃ…」」
リンの突っ込みに2人は内心は兎も角「いい過ぎ」と口にするが…
(ん~…トドメ刺して戻って貰おうかな?)と、姉視点の脅威度100%の思考をするミーシャ。
(気絶してればアイテムボックスに入るかな?)と、マッドな思考のアン。気絶から復活した場合のザックのSAN値がどうなるかは超不明だw
(起きてれば色々役に立つんだけどなぁ…)とリン。惚れてる筈なのに役立たずとなるとこうも打算的な考えになるのか…女性は男には理解不能過ぎるのだった…
━━━━━━━━━━━━━━━
NPC少女?…既に次の区画に移動して待機状態です。NPCなので何かしらアクションが無いと動かないのDEATH!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます