外界西街(アウターウエスト・シティ)外伝
137 外界西街(アウターウエスト・シティ)外伝 ~ホラーハウス その1~
ウエストシティを散策してはナンパが群がっていたアンたち一行(但し、
こうして、ウエストシティを粗方練り歩いた先には…先程通った時には認識できなかった建物が目に入ったのだった…
アン 「あれ?…さっき此処通った時にこんな建物あったっけ?」
リン 「不覚…」
ザック 「うーん…街中を一定以上歩いてマップを埋めないと出て来ない…とかか?」
ミーシャ「よくあるギミックよね…入ってみない?」
ミ以外 「いや、いいけど…」
特に何も無かったらすぐ戻るという条件で、見た目が凄く怪しい建物に入って行く一行だった…
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- ホラーっぽい屋敷に突入! -
玄関を潜ると、そこは汚れている窓のせいか陽光が少なく暗い玄関ホールだった。
「暗いな…」
ザックは思わずそう呟き、
「全然掃除してないみたいね…」
ミーシャが玄関のドアに触れて指先を触れて見ると…埃が指先に纏わりついていた。
ギィィィ…バタン。
「え…!?」
ちょっと触れただけなのに玄関のドアが閉まってしまう!
そして…玄関から入っていた陽光が完全に遮断され、玄関ホールはほぼ完全な暗闇に包まれてしまうのだった…
「足元がこれじゃ見えないねぇ…
アンがコマンドワードを唱えると、アンデッドを退ける聖なる光が玄関ホールを埋め尽くす。
「あ~んど、
パアアアアアア・・・・・!!
床・壁・窓・玄関のドア…在りとあらゆる汚れが清められ聖域と化す玄関ホール。何故か朽ちかけていた天井のシャンデリアも階段の手すりも窓枠も新品同様となり…ウエストシティの住人たちが「ホラーハウス」と噂していた屋敷の一部が…新築当時の姿として蘇るのだった…
「なあ…」
「何よ?」
「嫌な予感がするんだが…」
「奇遇ね…あたしもその考えに同意…」
突如、心の隙間に入り込むような…そんな死の領域から聞こえるような声…声?…というよりかは思念が響いてくる…
〈…わたくしのおうちにはいりこんだのは…あなた?〉
それは子供のような…老婆のような…年頃の娘さんのような…年齢不詳の女性のモノだった…
「…ひっ!?」
ミーシャの引き攣った声でザックが左右を見回すが…
「あ、そこ」
アンの気の抜けた声で声?の出所が判明するが…
「これ?」
リンの無表情な声で全員の目が一斉にそこを凝視すると…アンと似たような年頃のパジャマ姿の女の子が寝転がってミーシャの足元で、やる気無さげにボソっていた…イヤ、オイ…
「あ、あれ?…バレちゃった?」
そりゃもう…光り輝く玄関ホールでバレないと思う方がどうかしているだろう…
『どうやら何かのイベントNPCみたいだな?』
『
『悪意は感じないけど出て行って欲しい意識があるっぽい?』
『同意』
パーティチャットで意見を出す、ザック、ミーシャ、アン、リンの順の台詞だが…最近何も考えずに同意だけしてる気がしないでもないリンだったw
「くっ…36計逃げるが勝ち!」
「それいうなら「36計逃げるに
NPC少女の捨て台詞にザックが突っ込みを入れるが、少女は既に暗いままの廊下の奥へと逃走しており、光が届かない廊下の奥は暗闇に閉ざされている為に肉眼では見失っていた…だが!
「探知魔法からは逃れられない…」
「そうそう…」
リンとアンが既に
「こいつら相手に逃げられないだろうに…」
「そうね…」
既に「盗賊」から「賢者(厨)」という魔法使いの上位職業に転職し終えているミーシャは、改めて覚えなおさないと「
(まさか特殊職業の弊害がこんな所にあるとはねぇ…)
賢者(厨)で覚える初期魔法以外は軒並み消えていたので…取り直すのに金が掛ったのだが、それ以上に熟練度が0に戻ったのは痛恨の一撃のミーシャだった…
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スキルや魔法を覚えるには、スクロールや魔石を用いて習得するか、レベルアップ時に自動的に習得するかです。他に特殊な例として魔法やスキルを覚える場(パワースポット的な場所)もあります。
アンの場合は必要とか覚えたいと思った時に「取得」するという特殊な方法ですが、魔王ギフト固有であり、魔王ギフトは1人しか所持できないユニークなので他のプレイヤーには同様な覚え方はできません
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