132 イベントが終わったら… その26 ~PvP その後…その9~

暗黒街の清掃クエストに来たらPvP始まったり屋敷に入ってもボスが居なかったりで…そして3階の屋根裏部屋らしい場所に入ると…そこにはボスへと通じていそうな転移魔方陣があったのだった!

━━━━━━━━━━━━━━━


- ボスルームへゴー! -



〈イベント参加パーティ全員が魔方陣に乗って5秒が経過しました〉


〈これより、「暗黒街清掃クエスト」のラスボスステージへと転送開始します〉



という、厳かなシステムメッセージさんの声で魔方陣に魔力が満たされ、と同時に転移するのであった…



「…ん」


転送直後、構えていたザックの声に意識を取り戻す面々。辺りは一面の花畑で奥には墓石のような慰霊碑のような石造りっぽい物が建っていた…


「あれは…」


100m以上は離れているその石造りの慰霊碑みたいな…4人は警戒しながら近づいていく。


「お墓?」


少し規模が違うが、そう見えなくもない代物にアンが誰ともなく訊くような声を出す。


「慰霊碑じゃないか?」


ザックがそういい、ミーシャも黙って頷く。


「彼の者、此処に眠る…墓石?」


リンが刻まれた文字を読み上げ、墓石じゃないだろうかと想像しているが…


「ん~…」


と、アンが表面をぺたぺた触っていると、突如として魔法光を帯びだし…


「なっ!?」


「これはっ!?」


「…彼の大悪党…幾万もの人々を亡き者にし…その恨みを飲み込み…数千の聖なる僕聖職者の殉教を以て此処に封印す…」


「恨みを飲み込む?」


「ひょっとして…魔物に変異したとか?」


言葉から封印に至った経緯を考えるザックとミーシャ。そしてリンは…


「…多分当たってる。でなければ…」


ボスとして用意なんてしないという言葉を飲み込み…


ぐらぐらぐら…がっくんがっくんがっくん…


「やばい!みんな乗って!!」


と、アンが飛行形態のままの馬車をアイテムボックスから取り出して急ぎ乗り込み…距離を取った時には…マップの実に1/3を埋め尽くした巨大な怪異アンデッドが現れていた…



- 暗黒街のボスがアンデッドなんて聞いてないんDEATHが? -


「いや、屋敷の中にライト浄化の明かりで倒れる連中が多いから、まさかとは思ってたけどよ…」


「ボスもアンデッドかぁ~…しかもこれ、普通のプレイヤーで倒せると思う?」


「今の聖職者プレイヤーのレベルを考えると…無理」


ザック、ミーシャ、リンの台詞に、アンが間髪入れずに


ライト浄化の明かり!」


と叫ぶも、


「…効かないわね」


ライト浄化の明かりはあくまで浄化の効力のある明かりだ。並みのアンデッドに対しては強力ではあるが…どうやらボスには然して効かないらしい。


「じゃあ…清浄化クリーン!!」


鮮烈な白をぶつけるが…表面を一瞬白く染めるがそれだけだった。数秒後には焦げ茶色から黒い色に戻っていた。


「え…クリーンも効果なし?」


「いや…暫く白かったから全く効き目は無いって訳じゃないと思うが…」


体躯が巨大過ぎて、効果が無いように見えるだけだと思うが…


「あ、そだ」


アンは忘れていたと鑑定ジャッジを行使する。だが…



【巨大ボスの鑑定に失敗しました】



という、無情な結果を返すのみだ。


「あ~…鑑定失敗した」


「「ええ~っ!?」」


「ってことは、レベルが上か…」


「鑑定に抵抗されたか、だねぇ…」


ザックとミーシャが驚いて叫んでいる中、リンとアンは冷静に結果を分析していたのだった…


━━━━━━━━━━━━━━━

アンデッドといえば聖属性以外にも効果がある属性といえば…そう!あれです!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る