第2話

「すぅ、すぅ……。」

朝起きたら、隣に美少女が寝ていた。就寝中にも関わらず律儀にツインテールにしている。ほのかにミルクの香りを漂わせている白い肌。こんな美少女は知り合いにいない。いや、この顔には覚えがあるような…。そして着ているパジャマにも…。

「すぅ、すぅ、……うーん。」

ぱちりと目が開かれる。目から星屑が散ったように見えた。

「うーん、むにゃむにゃ…。」

まだちゃんと起きていない。

「すぅ、すぅ……。」

また寝る気か。いったい、誰なんだろう。家に夜這いに来るような女の子なんて覚えがない。通っている学校でもそんなに人と喋る方でないし、目立たない自覚がある。間違っても誰かに惚れられて、押しかけられるようなことなんてない。


ぱっちり。


突然、少女が覚醒した。目が輝いている、そう思った。吸い寄せられるようにして、少女と目が合ってしまう。

「おはよう!」

少女はまるでそれが自然であるかのように挨拶をした。

「いや、あなた、誰ですか?」

それを聞いて少女は首をかしげる。そして自分の体を見回して、目を丸くする。

「えっ!?」

声を上げて、更に続ける。

「ど、どうしよう、お兄ちゃん!」

「えっ?」

俺も驚く。なぜ「お兄ちゃん」?俺には妹はいない――?

「まさか…。」

少女は叫ぶ。

「どうしよう、僕、妹になっちゃった!?」


俺の弟がまさかの…。


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